2026.08.03
  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

夏休みに取り組む教師の振り返り方法

夏休みは一息つきながら、1学期の疲れをとることも教員として大切なことです。
一方で夏休みにしかできないこともあります。
みなさんは、どんなことをされるでしょうか。

大阪府泉大津市立穴師小学校 大橋 健太郎

夏休みに実践を振り返る意味

夏休みになり、1学期の疲れを取るべく、ゆっくりすることも多いはずです。ゆっくりしながらも、2学期に向けて少しずつ体と頭を慣らして準備をすることも大切です。

確かに、このリズムは夏休みにしかとることができず、教師という仕事の特権です。

ただ、私は夏休みだからこそ、あえて振り返ることをおススメします。教室や校務分掌でじっくり取り組んだことを見つめ、ゆっくり考えることができるのが、長期休暇のメリットです。

では、どんなことをするとよいでしょうか。今回は教師の振り返りについて書きました。

授業改善につながる実践のまとめ方

結論から言うと、夏休みに取り組むべきことは実践をまとめることです。

「実践をまとめること」とは、自分が取り組んだことの良し悪しを見つめるということです。そのため、じっくり取り組むことが大切です。
では、実際にどんなものから振り返るのでしょうか。それは次のとおりです。

・児童用ノート
・授業用計画ノート
・板書
・授業中の発言記録

これらは、私が振り返るときによく見るものです。ほかにもあるかもしれませんが、自分の意図に沿って材料を選定することが大切です。

なぜ、振り返るのか

ただ、やみくもに振り返っていても、達成感がありません。振り返る目的がはっきりしていないからです。
私の場合、レポート形式でまとめます。自分の取り組みを言語化し、今後も使えるエッセンスや汎用性あるものを抜き出すためです。抜き出すことができれば、今後の授業や学級経営に生かすことができます。

このように、振り返る前には目的を再確認します。「なぜ、振り返るのか」。ここがポイントです。

授業実践を振り返るテーマの決め方

実際に、振り返る目的を考えたら、次はテーマです。どんなテーマで振り返るかを考えていきます。例えば、次のようなものです。

「振り返りを書けるようになるために、どんな手立てがあったのか」
「発言しやすい発問と、発言しにくい発問は何か」
「子どもたちは、どんな学び方に気をつけて取り組んでいたのか」

授業者がテーマをもつことで、振り返る内容が焦点化されます。焦点化されることで、次の課題も明確になるでしょう。

授業改善に生かす3つのちょこっとポイント

ここからは振り返る時のポイントを3つご紹介します。

1つ目は事実を基に振り返ることです。授業の所作や指導言、子どもの見取りなどをもとに、成功と失敗を整理します。
私の場合、うまくいったことを継続しつつ、失敗したことについては原因と今後の対策を考えます。特に、原因を突き詰めることが重要です。そのうえで、次はどのように気をつけて取り組むか、どんな工夫をするかということを考えていきます。

2つ目は、手段と目的です。ここは私もかなり気をつけて振り返るようにしています。
国語を例に考えましょう。国語では教材内容を理解するために音読に取り組むことがあります。音読はあくまで手段であり、目的は教材内容を理解することです。
しかし、音読そのものを向上させることを目的に取り組んでしまうと、教材内容を理解するという当初の目的からズレてしまいます。これが、手段と目的の不一致です。このことは意識していないと、意外と抜け落ちてしまいます。

「目的を達成するために手段を考えること」

この原則にきちんと、当てはまるかを見直してみましょう。

3つ目は言語化です。言語化とは、自分の教室での取り組みを汎用性のあるものにするために言葉に置き換えることです。
重要なことは目の前の子どもたちから考えることです。どんな実践にも、最終的には学習指導要領や現代に求められている課題につながる要素があります。
しかし、実践者(授業者)が大事にした点は、共通しているとは限りません。共通している実践はよい実践で、共通していない実践は悪い実践というわけではありません。
地域により課題は違うので、目の前の子どもたちを中心に考えることが重要です。児童の取り組みを見つめる中で、課題がはっきりするはずです。

じっくりゆっくり振り返りながら授業力を高める

近年、AIの普及や時間の考え方の変化により、「じっくり ゆっくり」という言葉が合わない部分もあります。
しかし、教師の授業力は今日振り返ったからといって、明日急によくなるものでもありません。時間をかけ、授業者がこだわり抜き、改良を重ねてつくったものが授業力になると思っています。

そのときのキーワードが、「じっくり ゆっくり」です。
当然のことですが、自身の授業を見つめ、子どもたちとの時間を大切にしていたら、時間はいくらあっても足りません。
それでも、じっくり ゆっくり振り返りながら、日々の成長へとつなげていきたいものです。

大橋 健太郎(おおはし けんたろう)

大阪府泉大津市立穴師小学校、kyoso's サークル所属、国語教育 大阪探究の会所属


「こどもの思考が生きる」授業を目指して、日々子どもたちと共に学んでいます。
子どもたちが教えてくれたこと、子どもの姿から学んだことを読者の皆様と共有していければと考えています。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

「教育エッセイ」の最新記事

pagetop