2026.06.28
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私たちには何も後ろめたいことはないー保護者からのクレームについてー

職員室の電話が鳴って「〇〇先生ですね、お待ちください」って自分の名前が聞こえるだけでドキッとしませんか。
保護者からの電話って聞いたとたんに、
(何を言われるんだろう......何かやったっけ......)
という思いに駆られ、そして憂鬱な気分で電話を取る。
だけどちょっと待って。
私たち、こんなに毎日一所懸命子どものために働いているのに、なぜ電話一本でこんな憂鬱な気分にならなければいけないの?

東京都内公立学校教諭 林 真未

数年前までビクビクしていた

私は普段から誤解されやすい人間で、保護者に対して言葉や説明が足りず、トラブルになったことが何度かあります。
そのたびに私は思いました。

こんなに普段から毎日毎日、心を尽くして頑張っているのに、ちょっとした振る舞いだけを切り取られて文句を言われるなんて。
まずこちらに対する信頼があれば、いきなりクレームではなく、「何かの間違い、あるいは事情があるのでは」と直接聞いてくれるはず。

今回は私の落ち度だったかもだけど、それ以外にも、保護者が知らないところでたくさん良いこともしてるのにな。
とか……。


でもそんな本音をうまく表現できずに、ただ、
「このたびは申し訳ありませんでした」
という言葉を一番先に言う。
それが当たり前だと思っていて、管理職を交えて穏便に解決していくのがセオリーでした。

トラブルにならなかったときでも、放課後のトラブルのことまで持ち込まれても。
1クラス35人いてそれは無理よ。
子どもの言うことと実際の事情は違うって、保護者は知らないよね。

とか、モヤッとすることはいくらでもありました。
でもやっぱり、そんな本音を100%表現することはなく、ただただ、保護者に分かってもらえそうなところを探って、本来は学校業務ではないこともずいぶんやってきたように思います。
1本の電話は、そんな過去の経験上、心理的・時間的負担をもたらす予想が一瞬でできるから、憂鬱になってしまうんですよね。

親には見えにくい学校の現実。先生の激務は想像しにくい

これは、親を責めるための投稿ではありません。
実は、私自身が、学校には「融通が利かない場所」というネガティブなイメージを持ち、先生には「心を開いてくれないお堅い人たち」というイメージを持つ保護者だったので、学校に電話をかける保護者の心情はよく想像できます。

けれど、こちら(学校)側に立場を転じると、全然違う。
保護者だった私が思っていたよりずっと、学校も、先生も、一人一人の子どものことをよく理解し、子どもを思い、子どものために、一所懸命頑張っている。
毎日数時間のタダ働きさえいとわず。

でも、それを保護者は知りません。
保護者は、マスコミやSNSなどを通じて伝わるネガティブな「学校」しか知らない。
だから、ちょっとのことでも「きっと学校が悪い」「先生が悪い」と連想してしまうんじゃないかと想像しています。

私たちには何も後ろめたいことはない

そして、そんなネガティブな先入観とともにかかってくる電話に、先生たちはいつも低姿勢で対応する。
心の中で「そんなこと言われても」「事実とは違うんだけどな」と思いながら、保護者の気持ちを損なわないことだけを優先する。
(その顛末は、映画『でっちあげ』で鮮やかに描かれています。)

だけど冷静に考えたら、私たちには、何も後ろめたいことはない。
なんで電話にビビる必要があったんだろう。
どんな電話がかかってきたって、堂々としていればいい。

相手を非難する必要も、自分を卑下する必要もない。
事実と意見を伝えて、コミュニケーションすればいいだけ。

だって、何も後ろめたいことはないんだから。
私たちだって、保護者と同じように、子どものことを思って、毎日頑張っているのだから。

林 真未(はやし まみ)

東京都内公立学校教諭
カナダライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)
特定非営利活動法人手をつなご(子育て支援NPO)理事


家族(子育て)支援者と小学校教員をしています。両方の世界を知る身として、家族は学校を、学校は家族を、もっと理解しあえたらいい、と日々痛感しています。
著書『困ったらここへおいでよ。日常生活支援サポートハウスの奇跡』(東京シューレ出版)
『子どものやる気をどんどん引き出す!低学年担任のためのマジックフレーズ』(明治図書出版)
ブログ「家族支援と子育て支援」

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