2026.07.31
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とりあえず使ってみる!生成AI活用例2選

みなさんは、生成AIをどのように活用していますか。私は、昨年度から教育活動の中で生成AIの活用を進めています。
生成AIの先進校の研究授業をいくつか拝見した中で、活用できた実践を紹介します。生成AIは「こんな教材あったらいいのにな」「こんなアプリがあったらいいのにな」を実現できるツールです。教員の発想力次第で、さまざまなことが実現可能な時代になりました。
そのため、これからの教育は、個々の教員の発想力がより重要になってくるのではないかと思います。

岡山県矢掛町立小田小学校 教諭 角田 直也

目の前の児童のニーズにあったアプリを作れる

約分、帯分数↔仮分数は、徹底的に反復

  

筆者が作成した分数アプリ  

6年生では、分数のかけ算とわり算を学習します。計算自体は、九九の組み合わせでなんとかできるのですが、約分や帯分数が児童を苦しめます。
約分は5年生、帯分数は4年生でしっかりと定着していなければ、6年生で再びつまづきます。せっかく分数のかけ算の仕組みがわかっていても、正答までたどり着けず、算数が嫌いだと言い出す児童もいます。

そこで、活躍したのが教員が自作したアプリです。内容はいたってシンプルで、30秒以内に約分などの計算が何問できるかを競います。

最短10分。スプレッドシートとGeminiでアプリを作る

ここでの詳しい説明は割愛しますが、スプレッドシートの拡張機能「Apps Script」を使います。そこに、Geminiが作成した、Google Apps Script(GAS)コードや、HTMLコードを貼り付けます。
生成AIのGeminiに、「かけ算のアプリを作りたい」「GASのコードを出して」など、プロンプトとして入力すれば瞬時にコードを生成してくれます。その後、児童に伝えるURLの発行方法なども教えてくれます。

アプリの細かい修正や機能の追加は、Geminiに相談しながらトライ&エラーで繰り返し改善していきます。何度も試し、AIとの対話を通して精度を高めていくことが望ましいでしょう。

オリジナルアプリをどこで使う⁉  

私が作った約分などのアプリは、1回30秒で終わります。そのため、授業の始めの頭の運動や、テスト後の空き時間、家庭学習など、さまざまな場面で簡単に挑戦できます。

最後の画面には、友達の最高記録が表示されるようになっています。そのため児童は、「〇〇さんに勝ちたい」と、互いに刺激を受けながら取り組むことが多かったです。

さらに、スプレッドシートから作るアプリの最大の利点は、児童が取り組んだ結果がスプレッドシートに蓄積されることです。児童が、自宅で何回挑戦して、どのくらい解けているのかを知ることができます。

合格点などをあらかじめ決めておけば、児童にとっても明確な目標ができて、取り組みやすくなります。

作文を書くための情報収集と、推敲にAIを使う

資料を読み込ませ、情報を集める

今回の実践は、6年生の作文の授業で行いました。6年生の作文では、情報を集めて、文章構成を考え、情報を肉付けしていく過程を、各々の進度で進めることが想定されます。

書くことが苦にならない児童はさくさくと進みますが、書くことが苦手な児童は一向に筆が進みません。たくさんある情報から必要な情報を得ることや、それを文章に書き表すことに大きな難しさを感じています。

そこで、読み取ってほしい情報をGeminiのGemに読み込ませ、児童の質問に返答してもらう形で、AIを活用しました。

児童が質問した内容に答えることと、児童に質問を投げ返すことで、児童とAIが対話しながら考えを深めることができました。多くの文章を読むことに抵抗感がある児童でも、会話形式なら情報を集めることができていました。

情報を探して読み取ることが学習ではないかという意見もあるとは思います。しかし、文章を読むことに大きな負荷がかかる児童に対しては、支援の1つではないかと考えました。

AIと文章を推敲する

従来、書くことが苦手な児童に対して、教員がつきっきりで支援をすることも少なくありませんでした。しかし、AIが回答した内容をベースに、作文に書き表すことができた児童もいました。

書くことに精一杯で、推敲までできなかった児童も、友達の作文と比較したり、AIに聞いたりしながら推敲にチャレンジすることができました。

そして、作文の添削について、AIにアドバイスを求めることで、教員の添削を待つ児童の長い列の解消につながりました。児童が自分の作文に向き合う時間も増えました。

教員の添削には、少し納得がいかない表情の児童も、AIからの助言は受け入れている場面もありました。

AIの可能性を教育に生かす

生成AIは、今までできなかったことが実現できる可能性があります。そのため、教員も従来の教育観にとらわれず、新しい学習方法を創造していかなければなりません。

しかし、学習の中でAIを使うことに懐疑的な教員も少なくないでしょう。それでも、児童が大人になる頃には、AIとうまく付き合っていくことが必要な力になることも想定されます。

まずは、同僚や児童と共にAIを触ってみることから始めてみませんか。

角田 直也(かくだ なおや)

岡山県矢掛町立小田小学校 教諭


特別(聴覚)支援学校、青年海外協力隊(マラウイ)、公立小学校に勤務。
近年は、総合的な学習の時間に行う地域をフィールドにした活動を軸として、教科横断的なカリキュラム編成を実践・検証し、地域学習と教科学習の双方の深化について研究しています。
また、先輩教員のノウハウと新しい"観"の教育を融合しつつ、若手教員と共に学ぶ新しい研修方法を実践しています。

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