2025.04.30
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アメリカのモンタナ州よりこんにちは

アメリカのモンタナ州ボーズマンという町でモンテッソーリ保育士として働きながら、大学院で人間発達理論を学んでいます。
自然豊かな環境と教育現場での日々を振り返りながら、疑問や気づきなど、皆さんと共有していけたらうれしいです。

ボーズマン・モンテッソーリ保育士 城所 麻紀子

つれづれ日誌への想い

夏の職場までの通勤路

運がいいと、白頭鷲(アメリカの国鳥・ボールドイーグル)が朝ごはんに魚を仕留める姿に遭遇します

はじめまして。城所(きどころ)麻紀子と申します。アメリカのモンタナ州のボーズマンという町で、モンテッソーリ保育士をしています。

私は、東京の大学を卒業後、14年間ビジネスコンサルタントとして働いていました。その際、日本の大学に留学中の外国人向けビジネス講座の講師をする機会があり、それをきっかけに高等教育に関心を持ち、教育系のNPOに転職しました。

その後、2016年にアメリカのカリフォルニア州サンディエゴに移住し、日本人補習校と学習塾で小学生と中学生向けの講師、大学でアシスタント講師として日本語の授業を担当しました。
2020年のコロナ禍に、夫の叔母が住んでいるモンタナ州に引っ越してきました。教育コンサルタントとして働いていた時に知って関心のあったモンテッソーリ教育にいつか携わりたいと思っていたのですが、この地で運良く保育士として採用されました。
と、そこまではよかったのですが、保育士としての経験は皆無だっただけでなく、小さな子どもたちとの触れ合いも初めて、さらに全てが英語という環境も初めてという、ドタバタとしか言いようのない毎日を過ごしていまして、振り返りをする余裕はありませんでした。

そんな中、2024年に発覚した乳癌のため休職。やっと体調が戻ってきた今、地元の州立大学院で、きちんと学びたいと思っていた人間発達理論の授業を履修しています。
また、「教育つれづれ日誌」への執筆が決まり、そんな日々のあれこれを、これから綴っていきたいと思っています。実名かつ顔写真付きで情報を発信するのは初めての経験ですが、この緊張感も、いい刺激になりそうで、わくわくしています。

モンタナって?ボーズマンって?

冬の通勤路

10月に初雪から、4月上旬までは雪景色。美しいですが、マイナス30度になると歩いている際に危険を感じます

さて、まずは、モンタナのご紹介から。
日本の友達たちに必ず聞かれる、「モンタナ?ってどこ?」「どんな人が住んでるの?」「モンタナでの生活ってどんな感じ?」「どんな子どもたちが通ってるの?」「どんな先生がいるの?」という質問。

私自身、引っ越して来るまで、モンタナについてまったく知りませんでした。インターネットで調べたところ、ブラッド・ピット主演の映画『リバー・ランズ・スルー・イット』で見られる美しい川や渓谷が撮影された場所で、自然豊かな場所なのね、くらいの知識でした。

場所ですが、モンタナ州はアメリカの北西部にあり、カナダに隣接していて、ワシントン州やオレゴン州の東側に位置します。イエローストーン国立公園の北側、ロッキー山脈など大自然に囲まれています。
標高は約1,500メートルと高く、夏は湿度が低くて爽やかな空と空気を楽しめ、高原の気候が最高ですが、冬は長くかつ極寒で、マイナス30度まで下がります。
昔から、真夏を愛し、寒いのが大の苦手な私がなぜここに住んでいるのか、ほんとに人生って分からないものね、とたまにおかしくなったりもします。

特徴的なのは、モンタナ州は近年、他州からの移住者が増えていて、人口が増加しています。特に、私が住んでいるボーズマンという町は、全米で最も成長している都市のひとつとして、メディアによく取り上げられています。
2020年の国勢調査によると、2010年から2020年にかけて人口が約43%増加したそうで、町中ではあらゆる場所で建設ラッシュが進んでいます。人種構成は、2020年には、白人が約88%、アジア系は約2%と、白人が圧倒的に多い地域です。
必然的に、私の職場のモンテッソーリ保育園に通う子どもたちや、先生やスタッフもほとんど白人です。モンタナ州のもっと田舎町に住む義父いわく、「ボーズマンは国際都市」ですが、「人種のるつぼ」という感じではありません。

これから綴りたいこと

ロサンゼルスやニューヨークのような“アメリカ”らしいイメージとはずいぶん違うモンタナ州ですが、この地ならではの教育現場や子どもたちとの触れ合いにも、たくさんの学びと魅力があります。
これから、このコーナーではモンテッソーリ教育現場での日々や異文化環境で感じたこと、また大学院で学んでいる人間発達理論などについて少しずつお話ししていきたいと思います。

城所 麻紀子(きどころ まきこ)

ボーズマン・モンテッソーリ保育士、元サンディエゴ日本人向け補習校講師、モンタナ州立大学院家族消費者科学科 修士課程


2020年からアメリカのモンタナ州の人口5万人の町で、モンテッソーリ保育園の保育士をしています。
アメリカといっても、白人約90%、アジア人約2%(最近増えました!)という環境です。
あまり日本人の方に知られていない、アメリカの田舎での教育や生活の様子などを共有できたらいいなあと思っています。

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