外国人児童生徒が転校してきた!私が経験した試行錯誤の学級経営
読者の皆様の学校には、外国につながる児童生徒は在籍しているでしょうか。私の勤める小学校は外国につながる児童が同じ県の他の地域と比べて多いのが特徴です。昨年度は私の学級に外国人児童が転校してきました。私の経験を紹介することで、読者の先生方の指導や対応に生かせることもあるのではと思い、記事にすることにしました。
仙台市公立小学校 教諭 齋藤 祐佳
外国人児童との出会い
私が昨年度担任した学級に、外国につながる児童が転校してきました。
さらに、一部の教科で教科担任制を取り入れていたため、外国語の授業をしていた学級にも、別の外国につながる児童が在籍していました。
昨年は初任だったこともあり、初めての経験がいくつかあり、「このようなことに配慮や対応が必要なのだな」と勉強になる日々でした。
学級での居場所作り
→手伝ってくれる子どもの存在に助けられました
外国人児童のAさんが転校してきて私の学級に加わりました。特定の教科では国際教室に通うものの、多くの時間を私の学級で過ごすため、生活に慣れない様子が多々見られました。
日本語は全く話せず、英語もほぼ通じなかったため、意思疎通には苦労しました。
私とAさんは、Google翻訳を使って日本語とAさんの母国語を翻訳し合い、意思疎通していきました。
しかし、Aさんと学級の児童の様子を見ていると、移動教室の時にAさんが一人で移動している場面もありました。
私がなんとかAさんとの意思疎通をするだけでは、私とのやりとりはできても学級の居場所づくりはできないと気づくようになりました。
そこで、普段からAさんを率先してサポートしようとする児童に声をかけ、席を近くに配置して、いつでも助けてくれる環境を作りました。
さらに学級の児童に向けて、やりとりだけではなく目が合った時に微笑むなどの小さな行動でもAさんは嬉しいことを伝え、学級の様々な場面で言葉だけでなく非言語的なコミュニケーションが増えるように働きかけました。
学級に変化が
そのうちいつの間にか、児童たちがAさんのサポートをすることが増えていきました。
私の手が回らないときには、気づかぬうちに自分の端末を使ってGoogle翻訳を開き、Aさんが活動できるようにしてくれるようになりました。
学活の時間に行う遊び「フルーツバスケット」「けいどろ(警察と泥棒の鬼ごっこ)」などは特に、私が介入するよりも子ども同士で伝えあうほうがAさんも児童も楽しいようでした。
ルールを伝えるのは簡単ではないものでしたが、児童はなんとか翻訳しながら説明し、Aさんが参加できるようにしていました。
Aさんが友達と関わる場面が増えると、Aさんに笑顔も増えるようになりました。
意思疎通だけではなく、居場所が感じられているかどうかにも意識を向けることが大事だと学びました。
その他にも、意外な場面での対応や、宗教の違いによる必要な配慮がありました。
次回以降の記事でも紹介できればと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

齋藤 祐佳(さいとう ゆか)
仙台市公立小学校 教諭
宮城教育大学教職大学院にてp4c(子どもの哲学対話)
『初任者教師のスタプロ ハッピー学級経営編』(東洋館出版)にてコラムを執筆。
note(https://note.com/haru_
日本教育心理学会所属。
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