2025.01.15
  • x
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

隣の芝生は意外と見えない

学活や総合の時間、やることが決まっていても隣のクラスが「どのようにやっているか」は意外とわからないから不安に思うことがありました。

東京都内公立中学校 教諭 朝倉 しおり

やることがなくなる恐怖

4月の学活は、新学期始まっての教室整備や教科書配付、自己紹介カード作成、目標決めなど様々なことをする時期になります。
特に、入学してすぐの1年生の場合は、なにもかもが初めての空間ですから、時間をかけてゆっくりと作業を進めます。
一方で、2年生や3年生の場合は、1度や2度経験があることをする時間になります。
つまり、早い生徒は時間内に作業を終わらせることができる。
そうすると「やることがなくなる生徒」が現れるわけです。
やることがなくなった生徒が数人の場合は、周りの人の手伝いをしたり先生の手伝いをしたりと、役割を与える(見つける)ことによって対応することができます。
しかし、学級の3分の2以上の生徒が終わった場合に「何をする?」の時間が発生します。
この「やるべきことを終わらせてしまいやることがなくなった時間」が私の一番苦手とする時間だったのです。

単なる個人作業をさせることは簡単ですが、個人作業にしてしまうと、どうしても人によってペースが違ったり、やらない生徒が現れたりします。
かといって「おしゃべりの時間」にしてしまうと、仲の良い人や知っている人としか話さない人が多くなってしまう。
楽しいと思いながら親睦を深める時間にできるような”何か”がほしかったなと思います。

自由(学級裁量)という恐怖

学校や学年である程度のルールや共通認識はあるものの、学級の中で自由に決められることは意外とたくさんあります。
初めて担任をしたときは、学級目標や細かい係・掃除の分担表や手紙類の掲示デザインなどをどのようにしたらいいのかわからず困りました。
磁石やペン類、教室にあったら便利なもの等、先生方が独自に用意をしているものも教室にはたくさんあります。
「これをやろう」や「これはやらないでね」といった指示があれば明確でわかりやすいですが、「ここは、先生の好きなようにしていいよ!」と言われると悩んでしまいます。
だって「初めてだからわからない!」ですから。

そうすると、授業で他のクラスに入るたびに机間巡視と合わせてクラスの様子も視察するしかありません。
掲示の仕方や置いてあるものなどを密かにチェックして真似するわけです。

恐怖に怯えないために

担任になって「クラスのみんなのために頑張りたい!」と思うことはもちろんですが、初めての自分にとっては頑張り方がわからなかったことも多くありました。
他の先生方が新学期の準備をしたり教室の荷物を移動したりする中で困っていた自分。
私の場合、幸いにも歳の近い先輩教員がいて、その先生がデータや荷物、準備しておくと良いものを教えてくれたので他の先生と同様に準備し、新学期を迎えることができました。

先輩教員のみなさんは本当にたくさんの便利グッズやゲームを持っています。
つい時間が余ってしまったときや自由に使える時間ができた時、「生徒たちのためになるような時間」にすることができるよう日頃から様々なことにアンテナを張っています。

朝倉 しおり(あさくら しおり)

東京都内公立中学校 教諭


大学を卒業してすぐに公立中学校の教員になりました。
若手(寄り)の立場で生徒と一緒に日々勉強中。
「成長し続ける教師」を目指して考えたことや独り言を発信していきます。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop