定時退勤で、「やりたいことをする時間」を確保しよう
教員の仕事は授業、と思いきや、放課後職員室で行う仕事のなんと多いことか。
授業の他に、放課後職員室でこなさなければならないタスクが膨大にあり、それらに追われる毎日です。
どうにか工夫して仕事を進めなければ、まず定時退勤は難しい。そう実感する毎日です。
しかし私は、やらなければならない仕事の他に、やりたいことや叶えたいことがたくさんあります。仕事を始めた日から、仕事の他に「やりたいことをする時間」を確保できるように、試行錯誤してきました。
私は現在小学校教員2年目ですが、毎日は叶わないものの、定時退勤を基本とし、つれづれ日誌の執筆の時間を含め、他にも趣味の時間、プライベートの時間を確保できていると感じています。
そこで、私が毎日、定時退勤を叶えようと試行錯誤する中で見つけたコツを少しでも他の方にもシェアできればと思い、私が実践しているコツとマインドをお届けします。
あくまでも、私が意識していることですので、他にもより良いコツはあると思いますが、私と同じような若手の先生を中心に参考にしていただければうれしいです。
それは、以下の5つです。
- タスク終了の予定時刻を先に決める
- タスク終了にかかる時間を正確に見積もる
- 子どもの力を頼る
- 数分でも粘る
- タスクそのものを減らす
タスク終了の予定時刻を先に決める
例えば、ちょっとしたプリントの作成を依頼されたとき。
すぐに終わると思い取り掛かるものの、気づけば30分以上経過・・・
私には、そのような経験がありました。
これだけで、17時に帰れるはずが、17:40退勤になります。
→タスク終了の予定時刻を先に決めましょう。
タスク終了予定時刻を決めずに取り掛かる場合、不要な細部にこだわり余分に時間を消費したり、集中せずにだらだらとタスクをこなしたりすることにつながります。
時間の経過を意識せずにタスクに取り掛かるため、本来自分が最速でこなせる時間よりも時間がかかってしまいます。
私は、このタスクは◯分で終わりそうだ、と見込みをつけ、それを数分減らした時間を終了予定時刻に定めることが多いです。
このテクニックは、指導案や雑多な書類作成、事務処理に特に有効です
タスク終了にかかる時間を正確に見積もる
これは、1週間を通して、あるいは2週間~1ヶ月を通した定時退勤を叶えるときに特に有効です。
タスク終了にかかる時間を正確に見積もることで、タスクに対する時間を「今日」だけでなく1週間を通して配分することができます。
例えば、
「このタスクは今日残業して終えず、明日の空きコマ45分のうち◯分を使ってできそうだ(だから今日は帰ろう)」
「明後日は5時間授業だから、このタスクを明後日に回しても支障ないだろう(今日は帰ろう)」
などの見込みができ、「今日は帰れる」を叶えやすくなります。
ところが、タスクにかかる時間を正確に見積もることができないと、タスクが終わらずに意図しない残業日が生まれる場合があるので注意が必要です。
子どもの力を頼る
例えば、丸付けをした漢字練習帳。
教師が自分1人で返却しようとすれば時間がかかります。そこで、子どもの力を借り、学級の係に「配り係」を置いている学級は多いことと思います。「配り係」は返却物を配ります。子どもが手伝いという形で活躍できますし、一人一人に配るという教師の負担も減ります。
これと同じように、無理やりではなく、子どもが自発的にやりたいと願い出るもので、子どもにもできるタスクがあれば、子どもの力を頼って処理していきます。
例えば、宿題を誰が出しているか、出していないかのチェック。
教材が入っていた段ボール箱の片づけ。
どうしても手があかないときのほうきがけ。
重要なタスクではなく、子どもにも頼める仕事は積極的に子どもを頼り、子どもを下校させるまでに1つでも多くのタスクがこなせている状況にします。
数分でも粘る
例えば、空きコマで仕事をするとき。職員室で仕事をしていたとします。
──授業が終わる10分前に教室に戻ることにしよう。(仕事を進める)…そろそろかな。時計を見ると、授業終了の12分前だ。よし、だいたい10分前だから、教室に戻ろう。──
このとき、この「だいたい」を正確にします。
例えば、この場合、教室に戻ろうとしていた予定時刻より2分前に教室に戻ることにしています。
しかし、この2分を侮ってはいけません。
この「2分」で仕事をします。
2分でできる量のタスクをこなしてから教室に戻るイメージです。
普段から、1分で終わる仕事、2分で終わる仕事、3分で終わる仕事、5分で終わる仕事、10分で終わる仕事…と手元に残っている時間とこなすタスクを照合し、できるタスクを1つでも多くこなすようにします。
タスクそのものを減らす
タスクそのものを減らします。
例えば、テストを回収した後、点数を入力する際には出席番号順に入力する方が効率的です。そのために、自分でテストを並べ替えてから入力する方法もありますが、「テストの点数入力のためにテストを並べ替える」というタスク自体をなくします。
テストそのものを出席番号順で回収します。子どもに、テストは出席番号順に提出しましょう、と指示をするだけです。最初は慣れない子どももいますが、数回やればすぐに慣れます。
放課後の仕事を一つでも減らすために、不要なタスクは生み出さないように常に意識します。
みんなで定時退勤を叶えよう
たかが数分と思うことなかれ、膨大なタスク一つ一つに数分でも削ることができれば、「塵も積もれば山となる」でかなりの時短につながり、定時退勤につながるのです。
次回以降、私が毎日意識している、定時退勤を叶えるマインドについても記事にできればと思っています。
ワークライフバランスを重視した働き方で、みなさんと、より豊かな人生を送ることができればうれしいです。
齋藤 祐佳(さいとう ゆか)
仙台市公立小学校 教諭
宮城教育大学教職大学院にてp4c(子どもの哲学対話)
『初任者教師のスタプロ ハッピー学級経営編』(東洋館出版)にてコラムを執筆。
note(https://note.com/haru_
日本教育心理学会所属。
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