みなさん,夏休みを満喫されていますか?
子どもたちが学校へ来て一緒に学ぶのももちろん充実していますが,静かな職員室で自分のペースで仕事を進めたり,同僚の先生と他愛のない話で盛り上がったりするのもいいものですよね。
さて,長期休みには心身のリフレッシュも大事ですが,教師力(授業や学級経営,専門性等)を高めるにもいい時期ですよね。
そこで,私が所属している【教師部】について宣伝させてください!
教師部 for Well-being
先生方は,子どもたちの前に笑顔で立てていますか?
先生方は,仕事に生きがいを感じていますか?
ご自身のワークライフバランスについて悩んだことはありませんか?
私たち【教師部】は,子どもはもちろん先生方のWell-being(ウェルビーイング)を応援していきます。Well-beingとは,よりよく生きること。身体的・精神的・社会的に良好な状態であることを意味するようです。
先生方が幸福感や生きがいを感じられるようなコミュニティになれるように取り組んでいます。
“教師部セミナーなどのイベント情報”
”教師部インスタグラムのアップ情報“
”教師部メンバーの授業力アップ情報“などについて配信していきます。
公式LINEのリンクを載せますので,興味のある方は是非,登録をお願いします。
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=295itsdz
なぞなぞの答えは
今回のタイトル『ズレればズレるほど,生まれるものは?』
原稿を書きながら,なぞなぞみたいだなと思ってしまったのですが,何だか分かりますか?
それは【問い】です。
いったいどういうことなのか?
読み進めていただくと分かるはずです。
授業の始めに何をする?
これは私の失敗談です。
教師になってからの数年間,毎授業の始めにしていたこと,それは「めあてを板書する」でした。
なんで急にめあてを書く?と思われた方,その通りです。当時の私は,めあてがただの活動指示であったり,教師が与えたりするものだと思っていたのです。
今思えばなんと申し訳ない授業をしていたのか。
導入で授業が決まる
あの頃から10年以上が経ちました。当時の経験が関係しているのか,授業を作る際には導入をこだわるようになっています。
大事にしているのは【子どもが問いをもてているか】です。
子どもが「知りたい」「気になる」という問いがもてる導入ができれば,子どもは自然に自分で調べ出したり,友達がどのように考えたのかを聞きたくなったりするはずです。
逆に,「今日のあめては,〇〇です」と何の脈絡もなく先生が決めてしまうと,子どもは受け身の学びしかできませんよね。
ある先生の社会科で
数年前に見た社会科の実践です。(うろ覚えですが)たしか,江戸時代と明治時代の生活の様子を,資料を基に比べる授業でした。外国の技術や文化が日本に入ったことで,生活様式が明らかに違います。子どもたちは「服装が変わっている」「明治は建物が今風になっている」など多くのことに気付いていました。
驚いたのはその後です。
先生「様子が大きく変わっているよね。この2枚の絵,何年ぐらい経過していると思う?」
子「50年。だって全然違うもん」
子「100年。ガス灯とかレンガとか昔はなかったから」
先生「実は20年くらい」
子「えー。そんなに短いの?」
この瞬間に,子どもたちに「なぜ?」という問いが生まれていました。
予想したこととのズレによって,なぜ20年間という短い間にこんなにも様子が変わったのだろうという問いが生まれたのです。
残念ながらこの後の授業を見ることはできませんでしたが,主体的な子どもの姿は容易に想像できます。
道徳でのズレと問い
道徳は,考え方や生き方について学びます。
普段の生活経験の中に道徳は溢れています。
ただ,普段から自分の生き方について深く考えながら生活している人は少数ですよね。何となく捉えていることの方が多いです。そこを一度立ち止まらせて考えるきっかけをつくればいいのです。
私がズレをつくるのに大事にしているポイントが3つあります。
①価値が分かっていない(不十分)
②価値は分かるが実現できていない
③2つ以上の価値観で迷う
①の「価値が分かっていない(不十分)」に関しては,イメージしやすいと思います。分からないことに出会うと知りたいと思いますもんね。「国際理解」なんて実際に経験して興味をもったり,もっと知りたい・関わりたいと思ったりするものです。導入で写真を使えば「見たことないぞ」「日本にも似たようなものがあるのかな?」と問いが生まれるはずです。
②の「価値は分かるが実現できていない」に関しては,「親切,思いやり」がイメージしやすいかもしれません。大切なことだとは分かっているけど,「いつでもできていますか?」と問われると「…」ですよね。そうすると「どうしたらいつでもできるのだろう?」「親切にできる時とできない時,何が違うのかな?」という問いが生まれそうですよね。
③の「2つ以上の価値観で迷う」に関しても道徳教材の「手品師」や「二通の手紙」などをイメージしてもらえれば分かると思います。実際の生活でも教材ほどではないですが迷う場面ってありますよね。
この3つのポイントのどれかを使って,目の前の子どもたちが経験していそうな内容でズレをつくってあげるのです。
アンケートで事前に調べてもいいですし,そのような経験ができる場を授業外で設定してもいいと思います。
ズレができれば,子どもは問いをもち,自然に「知りたい」「分かりたい」と主体的に学ぶのです。
きっと授業の終わりには子どもの姿やノートから,子ども一人一人の学びが見取れるはずです。

古市 剛大(ふるいち たけひろ)
岡山県赤磐市立桜が丘小学校 指導教諭
「道徳の教科化」をきっかけに,道徳のおもしろさと難しさを感じながら,研究と実践を重ねてきました。子供の「知りたい」「話したい」を大事にした授業とは?道徳科における個別最適×協働とは?日々の授業から,そして指導教諭だからこそ見える・感じることを綴っていきたいと思います。
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