何を目的にふりかえる?(Classroom、Microsoft Forms)
6月より校内事情で家庭科専科となった清水です。これまでは、授業UDを推進すべく各学年・各教科・領域等で提案・授業実践等を行ってきましたが、5・6年生家庭科固定となり、より実践シフトしている最近です。
さて、そんな家庭科の授業内では必ず「ふりかえり」はChromebookでClassroomを使うようにしています。
家庭科という教科の特性もありますが、実技教科における「ふりかえり」を書く時間の確保はいつも必ず......というわけにもいかないことがあります。
端末を使うことで、
①ネット環境さえあれば授業後でも
②端末が1人1台あるので空き時間でも
③文字を書くのが苦手な児童には選択式でも
④一部の集計をテキストマイニングして次時へ視覚化
がしやすいメリットがあります。
しかしながら、「ふりかえり」そのものの学習活動については、教科の特性や場面によってよりよい方法を選ばなければ、ただの作業になりがちですし、メタ認知力を高めていく活動にもなりえません。
今回は、このふりかえりの5パターンについて考えていきます。
長野県公立小学校非常勤講師 清水 智
1.自分の成長・成功を認識するため
「分かったこと」や「できるようになったこと」
自己認識するために行うものです。
時には、他者から気付かされることもあります。
内容的にはかなりポジティブな内容になります。
自主学習ノートではこの振り返りをもとに次の学習内容を設定することがあります。
2.活動の感想
「感じたこと」「考えたこと」「共感したこと」
実技や言語活動後にはこのタイプのふりかえりが適しています。
特に道徳での振り返りに関しては、感情を揺さぶるような物語の場面、授業中の展開、発言、自身の考えの変容などが如実にあらわれますので、この活動の感想をオススメします。
3.単元の感想
「気付いたこと」「意味付けたこと」
算数でのカラーテスト(いわゆる業者テスト)の裏面にはこのふりかえりを記入することがあります。
単元全体の中でどのようなことに自分が興味をもち、算数としての力が向上したのか。「1.成長・成功」とも重なりますが、大きな違いは「意味付ける」ことにあると考えます。
つまり、学習したことを生活に生かす、活用する、一般化する思考です。学習したことを振り返り活動を通して、一般化していきます。
4.学習への意欲
「分からなかったこと」「もっと追究してみたいこと」「疑問・不思議」
個人的にはこのふりかえりがもっとも好きです。探究の学習サイクルにおいてはこの「疑問をもつ」ことは必須ですし、何よりも「センス・オブ・ワンダー」の元とも言える「不思議さ」の実感は、ここで表出してくると考えます。
自然体験活動においては文章に残さなくても、言葉に発するだけでも十分であると思います。
5.意思表明
「自己実現意欲」「自己決定意欲」「自己変革意欲」
全てにおいて自己と付けているのは「いかに自分ごとにするか」がこの意思表明においては重要だと考えるからです。
各教科においても同様ですが、特に総合的な学習の時間においては、いかに設定したテーマが自分ごととして捉えられているかが、単元でのモチベーションにもつながってきます。
そういった意味で、学習の最後にどういう自分でありたいか。どういう未来を生きたいか。どういう街になってほしいか。
予測困難な未来を生きる子どもたちだからこそ、明るい未来を見据えて学校での学びを続けてほしいものです。コロナ禍になった過去・現在は変えられませんが、未来はまだまだ変えることができます。

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