2021.06.29
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授業でICTを「もっと」活用するために3つ!

この1年間、全国の各学校で一人一台端末の整備が計画され、各学校現場レベルで実感を伴ってGIGAスクール構想としての端末の利用・活用が進んできたのではないでしょうか。
私の勤務する長野県内においても同様で、市街地だけではなく山間地区においてもネットワークの整備や端末配布などが加速度的に進んでいます。
児童・生徒への端末配布と同時に......教室内のICT環境はいかがでしょうか。ネットワーク工事や端末配布まで進んでいるからこそ、実際の授業で使用するアイテム選びにも一工夫入れるだけで、劇的な変化=使いやすさが生まれます。
そこで、今回は授業でICT活用(教師が活用に特化)する際に押さえておきたい2つの準備をお伝えします。

長野県公立小学校非常勤講師 清水 智

1.ICTはいつもちょっとトラブルがあるもの

ICTとは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。
しかし、現場レベルでは意味を理解していても、教室内・授業が始まれば大なり小なりのエラー・トラブルはつきもの。
事前チェックをしておくことで、エラー・トラブルを最小限に抑えることができます。

■モニターとの接続の予備対策

Bluetooth技術が教室内にも浸透してきて、自動的に接続されることも一般的になってきてはいます。しかし、なぜだか大事なときに限って(私の経験上ですが)つながらないこと多数……。
そこで、私はHDMIケーブル(5m)を教室に保管するようにしています。無線で飛ばしている距離が意外と長く、1mでは届かないことがあるので5mのものを選択。
アナログでも準備。精神的にも心強く、そして何よりもトラブルが起きたときの対処時間が早いです。

■悩んだら再起動

冷静な時に考えれば「アタリマエ!」と思える再起動ですが、いざ授業が始まってみると(ましてや研究授業など)この選択肢がなかなか出てこないものです。
授業等でのICT支援に入る際には、この最もシンプルな回復方法は必ず・何度もお伝えするようにしています。分かるところまで戻ることで、冷静な状況作りにもなります。
「機械が戻っている間=再起動中の授業展開」こそ、授業者の腕の見せ所であり、前時の復習やアナログでできることをあえてやり、授業自体にリズム感を生む必要があります。機械トラブルによる流れが変わった授業の空気感を取り戻すためです。

2.無線のマウスやキーボードを使おう

デフォルト(標準の状態)が有線のマウスであれば、ぜひオススメしたいのが無線のマウス。そして、キーボードです。授業中の目線が激変します。

■無線のマウス

Wi-FiやBluetooth等の無線接続できるマウスを使うことで、教室内のモニター画面が遠方からでも操作することができるようになり、PC端末を閉じたままでも操作できるようになります。
これにより、

①授業者の視線
→手元から児童生徒の顔を見ながらの操作性向上
②端末の位置
→そもそも端末のそばで操作しなくてもよい
③画面操作との連動
→①とも重なりますが、画面操作と発問等のズレが生じにくくなる

といったメリットが生まれます。
ただし、大型モニター自体がタッチパネル式になってきた昨今においては、マウス自体の存在も考慮すべきかなと考えられます。

■無線のキーボード

最近では無線のマウスとともにセットで売られていることも多くなったキーボード。
特にノートパソコンタイプの場合は、意外と授業者デスクのスペースを取ってしまうことがあります。
しかし、前述のマウスと同様に無線化することで、PC端末はモニターのそばや裏側に設置しておき、マウスとキーボードを手元に置くことで、操作性が格段に上がります。

3.最後に

教室内環境を見直すだけで、ググっと授業に「リズム感」が生まれてきます。
リズム感の源は、授業者の視線や立ち位置、発問のタイミングに大きな影響を受けるものです。
ぜひ、自分のお気に入りアイテムを見つけてみてください。

清水 智(しみず さとし)

長野県公立小学校非常勤講師


元東京都公立小学校主幹教諭/現長野県公立小学校非常勤講師/教育ICT・学級経営コンサルタント/Google認定教育者レベル2

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