2021.06.22
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コーディネーション理論と体つくり運動遊び(バドミントン編)

平成29年7月より小学校学習指導要領・体育編に名前が登場するようになったバドミントンについて、コーディネーションあそびを紹介していきます。
中学生や高校生でも楽しめるものとなっていますので、お試しください。

旭川大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

今回はラケットスポーツのコーディネーションあそびとしてバドミントンを題材としてお伝えします。

文部科学省から平成29年7月に告示された「小学校学習指導要領(平成29 年告示)解説 体育編」によると「バドミントンやテニスを基にした易しいゲーム」が記載されるようになりました。これはとてもいいことです。
私の研究データによると、運動に苦手意識を持っている学生たちでも、バドミントンについては好意的にとらえており、その割合はその他のスポーツよりも群を抜いて良いです。小さいころからバドミントンに取り組み「運動は楽しい」という潜在意識につながっていくと、自然と体を動かすようになり、子どもの体力向上にもつながっていきます。
そのため今回はバドミントンのコーディネーションあそびをお伝えします。

バドミントンの特徴はその球速の変化です。それに慣れるためにも、まずはラリーを行っていくといいでしょう。ただその際に、普通にラリーを行うだけでなく、コーディネーションを意識して様々なラリーを行わせていくといいです。
その一例をご紹介します。なおラケットやシャトルを扱っている時点で識別能力につながっているため、今回は識別能力の紹介は省いています。

<連結能力(カップリング能力)>

○3と3の倍数でアホになるラリー

昔この芸をする芸人(世界のナベアツ)がいました。ラリーの最中にこれを行うと、かなり頭を使います。またアホになるときにポーズを取ったりするのでヒットせずに意外と難しいです。そして楽しめます。事前に動画を流すなどして子どもに教えておくと見本を見せずに済みます。

<リズム能力>

○真似っこラリー

打つ位置を4等分に分けます。おへそを中心に右上・右下・左上・左下です。どちらかをリーダーとし、もう一人の方は必ずリーダーの真似をして同じ位置で打つようにします(リーダーが右上で打ったなら、鏡になるので左上で返す)。多分リーダーはフォアが多くなるので、自然とバックで返す練習になります。真似をするのもリズム能力の大切な要素です。

<定位能力(オリエンテーション能力)>

○バックラインタッチ

1回打つごとにバックラインをタッチしに行くラリーです。周辺視野を使ってラインまでの距離を認識するようになり、自然と周りの人にぶつからないように気を付ける能力が身につきます。
また4~5人組になり、打ったら反対側のコートへ行くようにしても良い練習になります。ネットに引っかかったり柱にぶつかったりしないようにするためにも最初は6人組くらいからスタートするといいでしょう。

<バランス能力>

○座ってラリー

二人ともお尻をつけて座った状態でラリーします。ほぼ思い通りのところに来ないため、バランスを崩しながら打ったり、転がりながら打ったりして体幹を育てることにつながります。また普通にラリーしているときも、その場で1周回ったり、お尻をついてから打ち返したりさせると更に効果があり、楽しくもなります。

<変換能力(アダプタビリティ能力)>

○速射ラリー

頭よりも低い位置でラリーします。最初はゆるいラリーになりますが、徐々に互いにストレートでラリーできるように促していきます。速いシャトルで返球されるため咄嗟に対応する力が身につきます。ちなみに速いものを見続けると「インターチェンジ効果」という現象になり能力が高まります。高速道路から一般道におりるとやけに遅く感じると思いますが、それは脳の回転が速くなり能力が上がっている状態です。そのような状態を作りやすくするトレーニングにつながります。

<反応能力(リアクション能力)>

○2シャトルラリー

シャトルを2個同時に使ってラリーします。かなり難しいので10回できたらほめてあげてください。ネットを挟まないで行うといいでしょう。また4人で3シャトルにするなど工夫すると更におもしろさが増します。

<最後に>

ただ何の目的もなくラリーをしているよりも変化をつけてラリーに取り組む方が格段に上達します。遊び込むことの大切さを実感できることでしょう。ぜひ行ってみてください。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。

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