コロナ禍における大学のオンライン課題
コロナ禍で、オンラインで行う体育はとても難しかったと思います。オリパライヤー(オリンピック・パラリンピックイヤー)ということでおこなってみたオンライン課題をご紹介します。
旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也
延期となっている東京オリンピック・パラリンピック
延期となっている東京オリンピック・パラリンピック。世界最高峰のプレーが間近で見られるチャンスはなかなかないことを考えると是非開催してほしいのですが、世界的に感染が収まらない新型コロナのことを考えるとそうとも言えず……複雑な思いです。
私は現在、教員養成のある他大学(北海道)でも体育実技の非常勤講師をしています。そこではコロナ禍であるためオンラインで課題や授業を行うことも可能となっています。実技ができないときは、スポーツの4つの関わりである「する」「みる」「支える」「知る」を意識するとともに、また過去を学びながらもより現実的に捉えてほしいと思い、あえて簡単な課題にして余裕を持たせることでそれ以上のことを調べてもらうため、以下のような課題を出しました。
オンライン課題の内容
現在のところ東京オリンピックが開催される予定でいます。それに合わせて、札幌ではマラソン・競歩・サッカーが行われる予定でいます。
また1972年に第11回冬季オリンピックがアジアで初めて札幌で行われました。実はそこからさかのぼること32年前の1940年に本来なら開催される予定でしたが、日中戦争のため開催権を返上していました。そのような経緯を経て開催された札幌オリンピックでした。
以上のことを踏まえ、新型コロナウィルスが収まり、それら東京オリンピック会場と札幌オリンピック会場を1つずつ見に行くことと仮定します。その場合、自家用車で行くと会場付近は大渋滞で動けなくなるため、全て公共交通機関で移動するものとします。交通手段・費用・時間を調べましょう。出発地点は、大学に通うために住んでいる住まいからとします。
交通手段と交通費を調べるだけの課題ですが、学生たちはただ単に課題に取り組むだけでなく、それ以上によく調べ、札幌オリンピックに興味を持つとともに、東京オリンピックをより身近のものとして感じてくれたようです。「アルバイトをがんばる」といった感想もありました。
「コロナだからより学ぶことかできた」と思えるような授業を
以前には前回の東京オリンピックで一世を風靡した「東洋の魔女」を取り上げ、「彼女たちが考案した技術である回転レシーブを動画に収め提出してください。ただしボールは使わなくても構いません」というオンライン課題を出したこともあります。こちらもとてもよく調べて真摯に取り組んでおり、動画としてはとても短いですが、一人暮らしの部屋で工夫して録画している様子がうかがえました。
将来、彼ら彼女らが生徒を教えていきます。「コロナだから学べなかった」のではなく「コロナだからより学ぶことができた」と思えるような授業展開を考えなくてはと新年度に向けて準備しなくてはと思いました。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。
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