『こまっトーク』について
多くの質問が寄せられた『こまっトーク』について説明をさせていただきたいと思います。
現実では、相手との情報格差(インフォメーションギャップ)が生じることによって会話が行われます。
小学校における外国語科(活動)の授業においても、スモールトークをはじめ様々な実践が行われています。
そのスモールトークと授業とのつながりを考えた活動が『こまっトーク』です。
短い対話の中で、『どんな状況で、誰が、どんなことに困っているか』に焦点をあてて聞いたり、対話をしたりします。
6年生になれば、片方の児童に状況を与えて対話を始められるようになります。
スモールトークで使用する表現と授業で目標とする表現や語彙は必ずしもつなげる必要はありません。
しかし、実際の場面や状況を想定した中で行われる『こまっトーク』を聞いたり、参加をしたりすることで授業に流れが生まれます。
現在は頻繁にペアトークを行うことができないので、教師やALTもしくは代表児童のやり取りを主に聞く活動が多くなっています。
指導者の発話の中でのキーワード(キーフレーズ、新出語句や表現)を捉え、それらを使い1時間の授業に取り組むという形になっています。
『こまっトーク』例
(例)What ~ do you like? をターゲット表現にした『こまっトーク』
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A : When is your birthday?
B : December.
A : Oh! I’ll give you a present.
Do you like red?
B : No, I don’t.
A : Do you like blue?
B : No, I don’t.
A : Do you like yellow?
B : No, I don’t.
A : Do you like black?
B : No, I don’t.
A : Oh... What should I do?
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まとめ
この活動を聞いた後に、児童に『どんな状況で、誰が、どんなことに困っているか』を尋ねます。
すると、『何色が好きか聞けば良い!』という発想につながり、新出表現を学ぶことになります。
新出表現や語彙は与えられるものではなく、自分たちで『見つける・つくる』という感覚を大切にしてほしいと思います。
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羽渕 弘毅(はぶち こうき)
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。
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