2020.11.08
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教科書ともっと上手に付き合おう!?

準備する時間がない...。
一回きりの授業への準備時間が多い。(教材研究が追いつかない、コスパが悪い...)
そんな悩みをもっておられる方、ぜひご覧ください。

兵庫県公立小学校 教諭 羽渕 弘毅

もっと教科書を上手く活用することを考えてみませんか?

専科じゃないから準備する時間がない。
一回きりの授業への準備時間が多い。
働き方改革が叫ばれる中、外国語科(活動)の授業に準備をされる時間はあまりないかもしれません。
では、もっと教科書を上手く活用することを考えてみませんか?
本校で使用している教科書にこんな挿絵と音声があります。

5年生 canを使った表現を学ぶ単元
【場面・状況】
バーベキューの準備をしている女の子と男の子
【音声】
女の子: Can you make a fire?
男の子: No, I cant. (笑顔で明るい声)

実際の挿絵を掲載できていないので、イメージしにくいかもしれません。
何か違和感がありませんか?
音声を流すだけで、「おかしい!」と言う子どももいます。

子どもたちが気づかない場合は以下のような発問をしてもよいかもしれません。

・音声のみ、そのあと挿絵と一緒に
・どんな場面?
・できるかを聞いているの?
・どんなトーンで言ったらいいのかな?
・みんななら、どんな一言を付け足す?
・実際にやってみよう

など1つの挿絵だけで色々な活動が考えられます。

この場面では、できるかどうかを尋ねているのではなく、女の子が男の子に『依頼』をしているのです。
しかし、男の子は気づいていない(?)という状況が生じています。
このような授業をすると、毎回子どもたちは『自分が何か見つけてやろう!』、『疑って』教科書を見るようになります。

もちろん、毎回の授業でこういった子どもたちが「ん?」と思えるような箇所を見つけることは難しいかもしれません。
しかし、教科書を眺める際に「教科書を疑う」ことで授業の準備時間が減り、幅の広がる内容となります。
ぜひ「疑いながら」教科書を眺めてみてください。

羽渕 弘毅(はぶち こうき)

兵庫県公立小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。

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