2020.08.17
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タブレット端末を使ったOneNoteで一枚ポートフォリオならぬ一台ポートフォリオで振り返り!

今か、今かと首を長くして待っているGIGAスクール構想の実体化。Withコロナ時代のハイブリッド学習に使えるように無料のアプリであるMicrosoft OneNoteをノート代わりに小3の子どもたちと外国語活動の授業で使ってみました。

静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭 常名 剛司

教科書やノートの代わりのタブレット端末時代はすぐそこに

子どもの学びの履歴を残すのに使われる「一枚ポートフォリオ」。これは、一単元で1枚の振り返りシートに毎時間のめあて、振り返り、教師からのフィードバックが少しずつ書かれていくことで、自分の成長の様子が分かるというものです。これと同じようなことをタブレット端末でできないかと考えてみました。

有料では、「ロイロノート・スクール」や「schoolTakt(スクールタクト)」などの優秀な学習支援アプリがあります。しかし、サブスクリプション契約が多い有料アプリの導入には、いささか勇気がいります。そこで、私は、Microsoft officeにバインドされている無料のノートアプリOneNoteを外国語活動の授業で「一枚ポートフォリオ」のように使ってみることにしました。

Microsoft OneNoteで複数端末への同時接続

Microsoft OneNoteはフリーで手に入るノートアプリです。しかも、1つのアカウントがあれば、何台の端末にもインストールできて、その全てがネット接続で同期されます。すべての端末がネットを通して同期されているので、子どもがそれぞれ別々の端末を使用して、別々のノートに個人の振り返りを記録していたとしても、教師用iPad一台ですべての端末のすべてのノートにアクセスできて、簡単にフィードバックを返せます。

ただのノートアプリでは、教師からのフィードバックを簡単に返すことができませんが、このような使い方なら、授業後に家のソファに座りながらでも、iPad片手に子どもたちにフィードバックを返すことができます。なんて気軽なんだろう!

OneNoteを使った一枚ポートフォリオならぬ一台ポートフォリオ運用の仕方

①専用のノートを作る

私は、アカウントを1つ作って、このアプリを学級の子どもたちが1人一台で使えるように学校の35台のiPadにインストールして、それぞれに個別のノートを作成しました。そして、そのアプリの中に子どもたち一人ひとりの名前を付けた専用のノートを作りました。

ノートの中には複数のページを作ることができます。単元の学習に適したマスターノートを1つ作成して、その形式を学級の人数分コピーすれば、小3の子どもたちでも迷わずに振り返りができます。

②100均のタッチペンで文字入力なんてできるのか!?

タブレットにタッチペンで入力

もはやiPadには標準装備なのかと思うくらい使いやすい「apple pencil」。iPadapple pencilがあれば、会議も紙のノートは入りません。事前にノートアプリのスキャン機能で資料を取り込んでおけば、会議中はそのデータ資料にapple pencilで書き込めば自由自在です。分厚いファイルや散らばった資料も必要ありません。iPadapple pencilさえ持っていれば、何でもできます。小3の子どもたちですから、ローマ字打ちも習っていません。タブレット端末の画面内に出てくるキーボードでのひらがな打ちでは時間がかかりすぎてしまいます。かといってapple pencilは高価過ぎて子どもの人数分は確保できません。


そこで私は100均にあるゲームなどで使うタッチペンを利用することにしました。昔のイメージだと100均で買えるタッチペンは先が太くて、線は書けるものの、文字なんて書ける代物ではありませんでした。ところが、最近の100均のタッチペンは、先は太いものの導電繊維でできていて、文字が何とか書けるレベルです。もちろん、コツはいりますが……。普段の漢字練習の文字がきれいな子は、100均のタッチペンでもきれいに文字を書いていてびっくり!

③書いたり、消したり、色を変えたり自由自在!

同じ手書きでも紙に書くのとタブレット端末に書くのでは大きな違いがあります。タブレット端末なら、間違ってもすぐに文字を消せるし、やり直しもあっという間です。子どもたちは、授業中の様子を勝手にカメラで撮って、その写真をノートに貼り付けていました。そんなことまでできるのなら、すでにこれは紙のノートを超えています!

教科書やノートが何冊も入った重いランドセルからタブレット1台で!

実際に授業で使ってみて、デジタル教科書やノートアプリを使えば、タブレット端末一台で学校生活ができちゃいそうです!重いランドセルを背負わなくても、タブレット端末を小脇に抱えて颯爽と登下校なんてのもありかもしれません。タブレット端末やPCはキーボードで文字を打つのもいいですが、apple pencilなどを使った手書きも使えますし、手書きをしたものが自動でデジタル文字に変換させるようにもなってきています。ICTという時代に合った文房具をもっと使い倒してもいい時がやってきたのかもしれません。

次回も英語にまつわる身近な話題を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。

常名 剛司(じょうな つよし)

静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭
小学校英語教育の研究を担当しています。自律的に取り組む本物の文脈の中で,子どもの資質・能力を育む小学校英語教育のあり方について考えていきます。

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