2020.10.02
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寿司ネタからスタート!~5年社会科「水産業の盛んな地域」~

ご覧いただきありがとうございます。小学校では運動会シーズンも終わり、授業へ本腰を入れられる時期となりました。私の住む白馬山麓 #hakubavalley は、徐々に紅葉モードになりつつあり、10月中旬ごろからは三段紅葉(山に積もる白い雪・色鮮やかな紅葉・山裾を埋める針葉樹の緑)が見られるようになります。

さて、今回は社会科5年「水産業のくらし」について、令和元年度の実践報告をお送りします。海に囲まれていない長野県ではありますが、他の都道府県同様に学習は進みます。しかし、児童の身近な職業ともいえる産業(特に米作り)と比較すると、水産業は身近な産業とは言えないので、導入の工夫から単元に入ることにしました。

この授業では、調べる活動の中で長野県小谷村立小谷小学校と東京都小笠原村父島の漁業所属の漁師さんとをオンラインで繋いでインタビューをするという場面を設定しました。(2019年12月上旬実施)

長野県公立小学校非常勤講師 清水 智

1.まずは単元の目標の確認

この単元での目標は以下のように設定されています。

<小単元の目標> 我が国の水産業について、生産の工程、人々の協力関係、技術の向上、輸送、価格や費用などに着目して、地図や各種の資料で調べ、まとめることで、水産業に関わる人々の工夫や努力をとらえ、その働きを考え、表現することを通して、我が国の水産業に関わる人々が、生産性や品質を高めるよう努力したり輸送や販売方法を工夫したりして、良質な水産物を消費地に届けるなど、食料生産を支えていることを理解できるようにするとともに、主体的に学習問題を追究・解決しようとする態度を養う。

前単元の「米づくりのさかんな地域」においても、生産に関わる人々の努力や工夫がキーワードになっているように、食糧生産の支えが生産者の工夫・努力によって確立していることを理解したり、問題解決の学習過程を通して態度を養うことが目標とされています。

*引用* 東京書籍令和2年度 年間指導計画作成資料

2.導入での発問は二つ

①小学生の好きなメニューとは?

社会科の授業、水産業の学習をすると分かっている児童たちにとっては、意外な質問に感じたかもしれません。が、盛り上がる時間となります。場が熱くなってきたところで、データを開示。プリントアウトしたものを確認し、ノートに貼ります。

→ 洋食も多い中で、「寿司」が2位にランクインしているというデータ。

→ 学級内・児童間の人気度も高い「寿司」

*引用* ぐるなび「小学生が好きな食べ物ランキング発表!」2018年4月25日

②回転「寿司」の中でも人気のあるネタとは?

寿司ネタの人気度が分かったところで、もう少し細かな発問。こればかりは、個人差が出ると予想されるので、実際のメニュー表を見ながら考えました。①の時よりもさらに盛り上がる時間となりました。ここでもデータをプリントアウトしたものを確認し、ノートに貼ります。この①②の作業を通して、データ分析の練習もしています。

→ 回転寿司店のチラシを見ながら予想。

*引用* マルハニチロ「回転寿司に関する消費者実態調査 2018」

3.いよいよ本題へ〜共通点・差異点に注目〜

①と②を経て、いよいよ単元の中身に入っていきました。社会科資料集の水産業に関わるページの最初にある「水産業の盛んな地域」等の資料を見ると、寿司ネタ人気ランキング上位のネタ・魚介類がグラフ等に書かれているものと書かれていないものがあること。そして、水揚げ量と寿司ランキング上位とは異なることなどに気付き始めました。

こういった差異点から、実際に感じていることと国内の水産業との違いに目を向け始め、水産業自体への学習の動機付けを図っていきました。

4.いよいよ問題解決の学習過程に入ります

拡大掲示資料も活用して共通理解を図る。

水産業に対する意欲が高まったところで、前単元までの振り返りを実施しました。既習事項の確認です。この水産業の単元は、食糧生産に関する大単元でもありますので、これまでの農業の学習での、生産に関わる人々の努力や工夫によって食糧生産が支えられている点を改めて確認しました。

ここから、実際の日本国内の水産業はどのようになっているのかという思考へとつながっていきました。これまでも、〇〇について知る・体験する→学習問題・追究テーマを設定する→調査・体験活動→結果の整理→学習問題に対する結論(まとめ)→表現という、学習過程を様々な教科・領域で繰り返してきたこともあり、日本の水産業の概要を知る→ハッキリしていないこと「水産業の盛んな地域での工夫・努力」をハッキリさせるという学習へと進んでいきました。

ただし、この段階では水産業自体に対する知識や専門用語、また教科書等で示されている漁法については未学習であったり、個別に支援・指導が必要なことも考えられたりするので、共通する用語や漁法の概要については、社会科資料室にあった拡大掲示資料を使って、特徴を捉えました。全体でシェアする際には、モニターよりも拡大掲示資料の方が、継続掲示できるのは強みです。

また、ここで役立ったのが水産庁が発行している「図で見る日本の水産」です。データが社会科資料集や教科書よりも新しく、PDFでアップされているので授業利用がしやすくなっています。

5.いよいよ学習問題を追究し始める

基礎的な知識を学んだところで、いよいよ学習グループに分かれて学習問題「水産業の盛んな地域ではどのような工夫をして、私たちの生活を支えているのだろうか」について追究する時間のスタートです。教科書・資料集・図書室資料・インタビュー・WEB等を駆使して、学習問題をハッキリさせる活動に入っていきました。

次回は、実際の調べる活動の様子をお伝えします。

清水 智(しみず さとし)

長野県公立小学校非常勤講師


元東京都公立小学校主幹教諭/現長野県公立小学校非常勤講師/教育ICT・学級経営コンサルタント/Google認定教育者レベル2

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