2020.08.28

異動が最大の研修　〜東京都から長野県へ〜

「教育つれづれ日誌」第二十七期としての執筆も今回が最終回となりました。

連載前半は、これまでの実践(大町南小・小谷小)にも関わってくる授業ユニバーサルデザインについて。
後半は、以前勤務していた東京都小笠原小学校での実践について。

どちらも体験談に基づいた過去の事例ではありましたが、読んでいただいた皆様の実践のヒントになれば幸いです。

最終回となる今回は、東京都から長野県への移住をするにあたって、移住前の事前調査では分からなかった東京都と長野県の小学校勤務の違いのごくごく一部についてお伝えします。

長野県公立小学校非常勤講師　清水智

１．通勤は電車？自家用車？それとも…？

□東京都
基本的に自動車通勤はNG。自動車通勤は島嶼部や特別な理由がある限り認められていた措置です。小笠原村小学校では、申請書をしっかり出して原付通勤していました。

■長野県
基本的に自動車通勤OK。電車通勤の方は稀。ゆえに、居住地から５０㎞以上離れている勤務校もあります（高速道路通勤もあり）。
ちなみに、勤務時間は東京都・長野県ともに大きな違いはなし。公務員ならではですね。

２．校務支援ソフトは使う？使わない？

□東京都
自治体によりけり。導入メーカー多種多様。平成26年の赴任当時、小笠原小学校（小笠原村）は校務支援ソフトが未導入だったので、教材会社が配布しているフリーソフトを利用しました。

■長野県
EDUCOMマネージャーC4thを利用している自治体が多くなってきたこの数年。C4thのメール機能を利用することで、教職員個人宛のメールができるようになってきています。

３．週案簿は出す？出さない？

□東京都
週末退勤時までに提出(紙ベース・オンライン)か、週明けに提出か。
いずれにしても、提出は必須。週案簿にない授業をやっていると管理職から指導が入ることも……。

■長野県
個人的に提出を求められたことは一度もないですし、他の教員が提出しているのを見たこともないです。
ただし、年度初めに冊子型の週案簿は配布され、個々で利用はしている様子があります。

４．会計は担任がやる？事務がやる？

□東京都
基本的に担任が現金を触ることは、ほぼなくなってきています。事務職で一括管理し、会計簿の作成についても、完成されたデータを事務から降ろされる学校もあります。

■長野県
基本的に担任や副担任等が行っています。驚いたのは、通帳の管理・引き落とし・その他手続きも担任が行うということ。事務は会計簿作成の最終チェック等。東京都とは真逆。

５．教室前方の黒板前に机はある？ない？

□東京都
小学校で黒板前に机があるのは少数派。
あったとしても、A3サイズ程度の教壇タイプ。
■長野県
長机設置率が非常に高いです。事務用の机もあれば、児童用机を複数並べてあるパターンも。
置いていないクラスが少数派。

６．学力調査とその後は

□東京都
①自治体ごと（CRTなど)　②東京都(５年生)　③全国学力調査(６年生)

■長野県
①自治体・学校ごと（NRTなど)　②全国学力調査

東京都では、９月末日を締め切りにした授業改善推進プランの作成と公表(校内・WEB)があるので、上記の①②③の結果を夏休み中に考察し、プランを立てる夏休みの大きな宿題があります。長野県では、とくに県レベルでそういった指示はなく、各学校内で処理されているようです。