2020.03.31
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遠回りのなかに見える近道

~きっと意味のある休校・自粛期間~

旭川大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

24‐26期に引き続き、27期も執筆させていただけることになりました。新たな気持ちで執筆していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

新型コロナウィルスが蔓延しており、休校や自粛要請がなされ、焦りばかりが募るこのごろです。しかしよくよく考えると、いつものこの時期のように切羽詰ってはいないため、心の余裕を取り戻すために、一年前のことを思い返してみることにしました。

一年前、縁あって北海道第二の都市、旭川の地に赴任しました。それまで関東・東海に住んでいた私にとって、北海道は旅行で札幌に一度来たぐらいしかなく、「寒い・広い・松山千春」くらいのイメージしかありませんでした。そのため、まずはこれから自分の住む土地を知りたいと思い、地域の博物館や記念館を回ったり、また昔の北海道やアイヌを題材とした連載マンガを読んだり、他にもいろいろ勉強してみました。そうすると、雑学的なことから旭川の面白さに惹かれていきました。二つほどあげてみると…

  1. 旭川の名前は、市内を流れる忠別川(ちゅうべつがわ)をアイヌが「チュクペッ」と呼んでいると和人が聞き取り、それを「チュプペッ cup-pet :太陽 川(転じて)日が昇る川」と解釈して「旭川」と命名されたこと。
  2. 歩行者天国はアメリカから入ってきましたが、元々は旭川が発祥で、アメリカがそれを輸入したのを日本が再輸入したこと。

こんなことを知ったために、もっと面白いことはないかと、現在は更に積極的に探検しています。

そんなことをしながら、小学校時代のころを思い返してみました。私の住んでいた街は、元々お城があり川で囲まれていたようです。そのお城の跡地に小学校が建てられています。そんなことを書いてある本も出版されており、図書室に置いてあったのは覚えているのですが、目には止まることはあっても手を出すことはありませんでした。市の名前を決めるときには、その学校の名前も候補に挙がるほどに歴史があり、興味を持つには十分な要素を持った土地でありました。しかしその当時はそんなことを知る由もなく、全くその土地に興味を持ちませんでした。きっと詰め込み教育だった学校や習い事に追われていたからかもしれません。そして時期を逃したため、この歳になった今もよく知りません。もったいないことをしたと思っています。

この休校・自粛期間は、学校の勉強を進めることはできないかもしれません。もうそれは全国的なことなので、そこで焦っていてもどうにもなりません。しかし逆に、子どもたちが主体的に勉強すること、むしろ勉強したいと思う「勉強欲」の育成につなげるチャンスとなるのではないでしょうか?

今回、社会系の話をしましたが、単なる一例としてあげてみました。しかし他の教科や他の事でも全然構いません。実のところ私は、中学生のころ、塾の英語の先生に人生を変えてもらいました。その先生は授業にもテストにもほとんど出ることのない発音記号について詳しく教えてくれました。それがきっかけで「英語って面白い」と思うようになりました。そうすると、なぜか全ての教科でそんなことを知りたくなり、成績もビリから20番くらいだったのが、上から10番になりました。そんなこともあり、遠回りの道に近道があると思っています。
小学生になる家内の従兄弟は、猫が主人公の漫画で歴史の人物に興味を持ち、今では大学教員をしている私よりも詳しい程です。

こんな時期ですが、教員がパラダイムシフトをして、慌てず焦らず今回の休校・自粛期間をチャンスにしてみる仕掛けをしてみたらいかがでしょうか。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川大学短期大学部 准教授・元パーソナルストレッチトレーナー・バスケットボールコーチ
幼児体育指導、小学校のスポーツ少年団指導、中学校の部活動指導、高校の体育指導、大学の体育指導及び部活動指導と、全年代の子どものスポーツ及び体育指導の経験を生かし、子どもの運動能力の向上を図る研究を行う。

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