最近、学校における体育活動で話題になったことが2つあります。中学生の運動会における組体操と、小学校の授業における走り高跳びについてです。その体育時事について私の視点から述べていきたいと思います。
それぞれの時事を少し説明します。1つ目の中学生の組体操は、「人間起こし」と言われるものです。一人の生徒をみんなで肩の高さに持ち上げて立たせ、大勢の生徒で囲みます。乗った生徒は上で立った状態から後ろに倒れ、それを周りの人が支えてから投げ返し、再度立たせる技です。知らない人も多いと思いますが、行政の方から組体操の高さ制限が出たため、新しく考案された技になります。頭を打つなど100件以上の事故が起きているとニュースになっていました。
もう1つは小学校の走り高跳びです。走り高跳びのバーと柱の用具を教員が用意した園芸用品を代用して行っていたところ、失明するケガを負ってしまいました。どちらも大きな事故となってしまい残念な結果となってしまいました。(2019年11月23日時点での情報です)
児童生徒にけが人が出ている以上、改善をしていく必要があります。またそもそも想定されるケガの予防を考えた準備をしていなくてはなりませんでした。
しかし、教員側もケガをさせてしまうことにはかなり慎重になっているはずです。予想ですが、組体操では何度も練習し、例えば上に乗る前からエバーマットを使用して練習するなどしてきたはずです。
また走り幅跳びですが、どのようにして失明するに至ってしまったのか想像もできません(現時点ではそこまでの情報が入ってきていません)。
そもそも現在の子どもの体力低下は、なんでも否定し制限してきたために引き起こされてしまったことだと考えています。公園の木登りやボールの使用は禁止、ケガをしたら授業で行わない、子どもがケガをしてしまったら教員のせい、といったような風潮が今の体力低下の子どもを作ってしまったのではないでしょうか?
本当に考えていくべきことは、禁止することではなく、子どもたちに何が足りなくて、そのためにどのように練習したらいいのかを研究し考えるべきだったのだと思います。そもそも難しいことに挑戦していかなくては、成長はありません。できることを安全に行わせるなかに、どのような成長を見いだせるのでしょうか。
今後は子どもたちの主体性を求めながらの授業になります。できるようになるために自分で考えながら活動していく授業展開になっていくはずです。そのため、もしかしたら今後はケガが増えてくるかもしれません。ケガをさせて良いということではありませんが、幼少期から繰り返したり、練習の過程を見直したりして、大きなケガを防ぐ教育システムを構築していく必要があるのだと思います。
新しい教育がスタートしていきます。国も親もそして評論家もそこを理解して見守っていってほしいと思います。
それぞれの時事を少し説明します。1つ目の中学生の組体操は、「人間起こし」と言われるものです。一人の生徒をみんなで肩の高さに持ち上げて立たせ、大勢の生徒で囲みます。乗った生徒は上で立った状態から後ろに倒れ、それを周りの人が支えてから投げ返し、再度立たせる技です。知らない人も多いと思いますが、行政の方から組体操の高さ制限が出たため、新しく考案された技になります。頭を打つなど100件以上の事故が起きているとニュースになっていました。
もう1つは小学校の走り高跳びです。走り高跳びのバーと柱の用具を教員が用意した園芸用品を代用して行っていたところ、失明するケガを負ってしまいました。どちらも大きな事故となってしまい残念な結果となってしまいました。(2019年11月23日時点での情報です)
児童生徒にけが人が出ている以上、改善をしていく必要があります。またそもそも想定されるケガの予防を考えた準備をしていなくてはなりませんでした。
しかし、教員側もケガをさせてしまうことにはかなり慎重になっているはずです。予想ですが、組体操では何度も練習し、例えば上に乗る前からエバーマットを使用して練習するなどしてきたはずです。
また走り幅跳びですが、どのようにして失明するに至ってしまったのか想像もできません(現時点ではそこまでの情報が入ってきていません)。
そもそも現在の子どもの体力低下は、なんでも否定し制限してきたために引き起こされてしまったことだと考えています。公園の木登りやボールの使用は禁止、ケガをしたら授業で行わない、子どもがケガをしてしまったら教員のせい、といったような風潮が今の体力低下の子どもを作ってしまったのではないでしょうか?
本当に考えていくべきことは、禁止することではなく、子どもたちに何が足りなくて、そのためにどのように練習したらいいのかを研究し考えるべきだったのだと思います。そもそも難しいことに挑戦していかなくては、成長はありません。できることを安全に行わせるなかに、どのような成長を見いだせるのでしょうか。
今後は子どもたちの主体性を求めながらの授業になります。できるようになるために自分で考えながら活動していく授業展開になっていくはずです。そのため、もしかしたら今後はケガが増えてくるかもしれません。ケガをさせて良いということではありませんが、幼少期から繰り返したり、練習の過程を見直したりして、大きなケガを防ぐ教育システムを構築していく必要があるのだと思います。
新しい教育がスタートしていきます。国も親もそして評論家もそこを理解して見守っていってほしいと思います。
赤堀 達也(あかほり たつや)
旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。
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倉敷市立連島南小学校 教諭
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前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭 -
近畿大学 語学教育センター 准教授
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大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
東京福祉大学 国際交流センター 特任講師
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静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭
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兵庫県立兵庫工業高等学校 学校心理士 教諭
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浜松学院大学 現代コミュニケーション学部 子どもコミュニケーション学科 教授
前浜松学院大学短期大部 幼児教育科 特任講師 -
愛知県公立中学校勤務
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鹿児島市立小山田小学校 教頭
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元静岡大学教育学部特任教授兼附属浜松小学校長
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明石市立鳥羽小学校 教諭
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