2019.07.19
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中学を見据えた夏休みの課題

~地域社会へ子どもと保護者の目を向けさせるために~

旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

夏休みを間近に控え、子どもたちへの夏休みの課題を準備しているころではないでしょうか?大抵、課題は家や室内で行うようなものを想定して考えられていると思いますが、少し趣向を変えてみませんか?

よくあるのは「なわとび」や「ラジオ体操」でしょう。この機会になわとびの練習をするように仕向けるのもいいですし、ラジオ体操で規則正しい生活習慣を促していくことも大いに賛成です。しかし今回はそのようなものではなく、近隣にあるアクティビティもしくは施設を紹介するというものです。

最近は新しいものがどんどん出てきています。以前住んでいた場所の近くにはトランポリンが90分し放題の場所がありました。大人もできるので家族で行うことができます。他にもアスレチック、ボルダリング、パターゴルフなども家族で取り組むことができます。またニュースポーツなどもできるところがあります。このようにスポーツやアクティビティを紹介するのもいいです。調べてみると意外と公民館で行われていることも多いです。

以上を提案したのは、そういったことを地域で提供していること自体を知らない保護者が多いからです。現在、短大の体育ゼミを受け持っていますが、近くのアクティビティすら知らない学生が多いです。体育系のゼミ生が知らないのであれば、普通の学生はもっと知りません。ゲーム遊びを中心に育ってきた彼らは、体を動かす遊びという観点が薄いようです。子どもを授かる年齢の直前ですが、急に地域に目を向けることは、余程のことがない限りないでしょう。そのため私のゼミ活動では、地域のアクティビティや施設を知るための活動も行っています。

学校における働き方改革により、中学校の部活動は縮小に向かい、地域の社会体育へ向かわせていくことになっています(参考:スポーツ庁(平成30年)『運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン』)。中学生になって、子どもや保護者が初めて考えるのでは遅いです。幼児や小学生の段階で、地域や社会に目を向ける意識や姿勢が必要となります。そのため、夏休みを利用して、地域を知っている先生たちからアクティビティや施設を発信していけば、新しい部活動制度にも対応でき、学校にかかる負担は減少していくでしょう。上手く地域や社会を利用してはいかがでしょうか。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。

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