2019.06.13
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夏休みのラジオ体操に向けた取り組み~もしかして教材研究不足?~

梅雨の時期を利用した取り組み

旭川市立大学短期大学部 准教授 赤堀 達也

みなさんの学区では夏休みにラジオ体操をやっていますか?昔に比べて少なくなってきているようですが、それでも多くのところで取り組まれているようです。夏休み明けに生活リズムを崩して通えなくなる子どもも多い現在、このラジオ体操をうまく利用することはできないでしょうか?6月は梅雨でグラウンドがあまり使えない時期でもあります。逆にそれを利用してできることを考えていきましょう。


パッと閃くのは、スタンプ集めをラジオ体操の方々と共同で行うというところですが、私がおすすめするのは、夏休みより前にラジオ体操の勉強・研究を子どもたちにさせてみることです。


ラジオ体操は1928年(昭和3年)に「国民保健体操」として制定されてから90年の歴史をもつ体操です。聞くところによると、ここまで国民的な体操として普及している国は、日本以外にないようです。このように歴史があり、世界にも誇れるラジオ体操はいい教材となりえます。


また意外にもアメリカ発祥のラジオ体操。体育の授業や運動会の準備体操として行われることが多いようですが、そのほとんどがラジオ体操第一でしょう。ラジオ体操第二は知っていてもできない人が多く、またユニバーサルデザインとして年齢・性別・障がいの有無を問わずに行うことができる1999年に制定された「みんなの体操」については知らない人がほとんどでしょう。
その歴史だけでなく、やり方や体のどこを動かすかについても調べてみると面白そうです。


先日、ラジオ体操指導員の資格を取得しました。ラジオ体操の導入からラジオ体操の一つ一つの動きの意味まで、とても面白くそして深く学ぶことができました。どうやらラジオ体操が面白くなかったのは、私たちの教材研究不足だったようです。


まだまだたくさん勉強できるラジオ体操。学校での取り組み方によっては、地域と一体になれる潜在能力を秘めています。学校における働き方改革により、部活動から社会体育・生涯体育に視点が向いていきます。いち早くラジオ体操に着目してみるのも良さそうです。

赤堀 達也(あかほり たつや)

旭川市立大学短期大学部 准教授・北海道教育大学旭川校女子バスケットボールヘッドコーチ
これまで幼児・小学生・中学生・高校生・大学生と全年代の体育・スポーツ・部活動指導してきた経験から、子どもの神経に着目したスポーツパフォーマンス向上を図る研究を行う。

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