この時期になると学級に教育実習生がやってきます。みなさんは教育実習生の指導教官になられたことはありますか。
私は今年で教職15年目ですが、これまでに公立時代に2人,附属で50人の学生の指導教官として過ごしてきました。これは教職15年目にしては多い数だと思います。今年度も、5月は副免の学生が3名、6月からは主免の学生が6名来る予定になっています。
クラスの子どもたちはとても楽しみにしています。子供たちは外で遊んでくれる「お兄さん」「お姉さん」という感覚の子もいることでしょう。
実習初日、実習生に必ずする話があります。それは、
「失敗することもあるでしょう。でも一生懸命に取り組んだ結果の失敗であれば構いません。たくさん失敗をしてください。そしてその失敗を受け入れてください。しかし、いい加減な、中途半端な行動による失敗や子供達を傷つけるようなことはダメです」
です。
だから、言葉遣いには気をつけてもらいます。クラスの子どもたちは「みなさんの友達」ではないと。友達に話すような「話し方」や「話す」内容は辞めてほしいです。
私の学校は関西にあります。関西には「お笑い」の文化があるので、「アホちゃう」とか「ばか」といった言葉が身近にあります。
でも、私はこれまで1度も子どもたちに「アホちゃう」とか「ばか」という言葉を遣ったことはありません。
以前、子供達と遊んでいる中で、
「3回死ね」
という言葉を使った方がいました。遊んでいる中で、テンションが上がりすぎて使ってしまったようです。言われた子たちはその言葉に対して、何も思っていないようでしたが、周りの子達が、
「え?なんであんな言葉を遣うの!?」
と疑問を抱き、私に言いに来て、この出来事が発覚しました。
私は第1印象で、「こわい」先生と思われるようです。見た目が坊主で体もごついからかな?と思ったりしていますが、子供たちが相手を傷つけるような行為をしたときに指導をしている様子がこわいみたいです。実習生にそう聞いたことがあります。
1~6時間目まで、専科の時間を除いて、実習生は私の様子をすべて見ているため、1ヶ月後には「こわい先生と最初は思っていたけど、子供達への愛がとても伝わってきました」という感想をもって、大学へと帰っていく方が多いよう思います。
私はメリハリのある指導を心がけています。注意するときは注意する。楽しむときは誰よりも楽しみます。そのスタイルに対して、第三者が愛があると思ってくれることは、自信につながります。
教育実習の間は、実は自分を振り返るチャンスでもあります。

樋口 万太郎(ひぐち まんたろう)
京都教育大学附属桃山小学校
みんなが「わかる」「できる」、そして「楽しい」授業を目指し、目の前にいる子に応じた指導を行っています。キーワード「学級経営」「算数」「タブレット端末」。
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