2018.09.11
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ポジティブに考える

夏休みが明け、新たな気持ちでスタートを切っている時期かと思います。夏休みに大きく成長した生徒もいれば、何か不安やつまずきを抱えている生徒もいるかもしれません。できるだけ生徒と向き合う時間を増やして、そうした変化にもうまく対応したいですね。


さて、以前の記事で、生徒たちのできていないところを責めず、見方を変えてポジティブな声がけを!という内容を書きました。
「ポジティブな声がけを」
https://www.manabinoba.com/tsurezure/017576.html


こうした考えは、教員だけでなく、生徒同士でも持ってもらいたい視点だと思います。友達の言動が気になって仕方がないとか、小さなことに腹を立ててしまうとか、中には考え方一つで解決するものもあると思います。今回は、生徒たちもポジティブな考え方を身につけてほしいということで記事を書きました。

山形県立米沢工業高等学校 定時制 教諭 高橋 英路

受け入れるって難しい・・・

勤務校は夜間定時制ですが、それに限らず学校には本当に多様な生徒たちが学んでいます。私は、「受け入れる」という感覚を大切にしてほしいと考えて、クラスを運営していますが、これはそう簡単ではないと思います。

人には様々なタイプがあり、過去の経験や育った環境もバラバラです。当然、同じことに対して「良い!」と思う人もいれば、「嫌だな」と感じる人もいます。今年度のクラス目標を考える際に、クラス全員でクラスの現状や理想について対話したのですが、「にぎやかなのが良い!」という意見もあれば「静かな環境が好き」といったものもありました。その対処についても「中間点を探る」というものから、「どちらかが譲る」「別々に過ごす」など、わずか10名ちょっとの中でもたくさんの考えが出てきました。

他方、生徒の感想には「うるさい方が好きという人がいるとは思わなかった」といったものもあり、「受け入れる」という前に、「自分が考えもしないような多様な考え方が存在している」という実態を知ってもらう必要があると思いました。この感覚がないと、「受け入れる」以前に、「うるさい状態は皆が嫌に決まっている」という決めつけをする生徒が出てきてしまいます。

視点を変えてポジティブに

相手を受け入れるためには、どんな考え方をすれば良いでしょう?最近ではSST(ソーシャルスキルトレーニング)やアンガーマネジメントなどの書籍・ワークシートが普及しており、やり方はいくらでもあると思います。

例えば、「教室の中で、Aくんがすれ違いざまにぶつかってきた。自分は『ごめん』と言ったのに、Aくんは何も言わずに行ってしまった」というようなケースを取り上げます。

(ネガティブな捉え方1)
こっちが謝ってるのに無視するなんてヒドイ!
→Aくんを追いかけてつかまえ、「おい!何か言うことあるだろ!?」

(ネガティブな考え方2)
Aくんは私のことを嫌ってるのかな?
→何となく気まずくてAくんと疎遠に・・・

(ポジティブな考え方)
Aくんは急いでいて気づかなかったのかな
→次に会ったら「この前ぶつかってゴメンね!もしかして気づかなかった?」

といった具合(当然、正解はありません)です。こうしたワークに取り組ませるねらいとしては、ポジティブに考える練習をすることはもちろんですが、書いた内容を数人でシェアすることで、いろんな考え方があることに気づいてもらうことも重要だと思います。実際やってみると、まったく書けないという生徒がいたり、他の人とは違う視点で考えた生徒がいたり、さらにシェアして「へぇ~」「そういう感じかぁ」といった感想が出たりと、なかなか有効だと思います。

LHRなどでやった後は、実際の生活の中で教員が積極的にポジティブな捉え方・声がけを見せることが1番だと思います。いくら練習をしても、自分の周りの大人がネガティブ・シンキングばかりでは、「言ってることと違うじゃないか!」となってしまいます。でも、生徒に話す以上に、意外と、私たち大人のそれが難しいのかもしれませんが・・・。

こうした考え方を実践して、笑い声や笑顔があふれる教室になればなぁと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

高橋 英路(たかはし ひでみち)

山形県立米沢工業高等学校 定時制 教諭


クラス担任と地歴公民科で「地理A」「日本史A」「世界史A」「現代社会」の授業を担当。専門は地理。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。

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