信頼関係について考える(2)
前回より「教師と子どもとの信頼関係」についてお話をしています。今回は、教師と子どもとの間に、信頼関係がないと、どうなってしまうのか...というお話です。
大阪府公立小学校教諭 松森 靖行
みなさん、こんにちは。
西日本豪雨災害において被災された方々に御見舞い申し上げます。
また、亡くなられた方々に哀悼の意を表します。
特に被害のひどい岡山県倉敷市は私の故郷です。倉敷市の真備地区には、一緒に勤めた先生、仲間、先輩、教え子がたくさんいます。私もできる限りのことは、させていただきます。倉敷のことを考えると、心が苦しいです。一日も早い復興を心より祈っております。
さて、前回より「教師と子どもとの信頼関係」についてお話をしています。今回は、教師と子どもとの間に、信頼関係がないと、どうなってしまうのか...というお話です。
「何を言うかではなく、誰が言うか。」という考えをお聞きになったことがあるでしょうか。ある組織の会議で同じことを提案しても、人によってその提案が通ったり、通らなかったりするというお話です。学級経営がまさにそれなのです。
「会議で提案が通る」という現象は、その「提案」のすばらしさもあるのですが、実は提案のすばらしさよりも、提案した人の信頼度によるものが大きいのです。つまり、「○○先生の言うことだったら…。」という状況です。
これは、大人の世界だけではなく、子どもの世界でも同じです。子どもとの間に信頼関係ができあがると、授業も学級経営も比較的スムーズにいきます。
事は単純なのです。逆を言えば、信頼関係ができていないと、何もスムーズにはいかないということです。
以前、私は次のような失敗をしました。
6年生を担任し、子どもたちを成長させようと、自分なりに日々悪戦苦闘をしていました。そして、5月になったある日、私は子どもたちに次のように投げかけました。
「みんな、4月からよくがんばったね。もう立派な6年生ですね。これからは、自分たちで考えて、どんどん正しいことをしてみようね。」
おそらく、私からは、「みんなのことを信頼しているよオーラ」が満載だったのだと思います。今思えば、子どもたちもしらけていたようにも思います。私は、子どもたちのことを信じているという名目で、様々なトラブルをスルーしている時もありました。今思えば、最低な教師ですが…。
結果、どうなったかは…。もうお分かりだと思います。地面に這いつくばる思いで、卒業させたことを覚えています。信頼関係がないので、大きなトラブルの連続でした…。
「信頼関係をつくる」とは、どういうことなのかを、具体的に考えていなかったのだと反省しました。教師だけが、「信頼関係ができている」と勘違いし、時期尚早ながら、子どもたちを手放してしまった結果です。
それからは、「信頼関係」をどのように構築し、どのような状況が「信頼関係がつくられている」状況なのかを、毎年きちんと考えるようにしています。
次回は、具体的な方法についてお話していきます。
それでは。
松森 靖行(まつもり やすゆき)
大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。
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