2018.05.22
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学級チェック ~5月・6月、子供たちの様子はどうでしょうか~

5月下旬になりました。
今、学級の子供たちの様子はどうでしょうか?
子供たちは(大人もですが)、新学期からの緊張も疲れもピークになり、ちょっとのことでトラブルも出てくる頃かもしれません。
また、学級や先生に慣れてきて、自分のわがままを押し通す子が出てくるのもこの時期です。

担任の先生としては、ここは踏ん張りどころ。
1学期の山場です。
では、5月下旬~6月上旬にどのようなことを注意する必要があるのか。
担任として、どのような視点を持って子供たちの様子を客観的に見ることが必要なのか。
自身の学級を思い出しながら、読んでいただければと思います。


大阪市立堀江小学校 主幹教諭   (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) 川村幸久

◆ 担任として、客観的に学級を見る視点 ◆

学級の子供たちの様子を見る時に、次の12のことをみると、その教室の様子が少しわかります。
今日は、その中から4つを紹介します。
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①教室にごみが落ちていないか
②隣の子と席がきちんとくっついているか
③靴箱のくつがきちんと入っているか
④日常の当番、給食当番、日直や清掃活動がきちんと行われているか
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⑤~⑫については、次回以降に紹介します。

◆ ①教室にごみが落ちていないか ◆

教室の床に、ごみが落ちていると誰しも、どこか心が落ち着きません。
1つごみが落ちていると、2つごみが落ちていても平気になってきます。
2つごみが落ちていると、3つ4つとどんどんごみが増えています。
3つ4つごみは落ちていると…教室はごみが散乱するようになります。

これまで、いろいろな教室に入ることがありましたが、少し子供たちの様子がおかしいなと思う学級は、ほぼ100%といってもいいくらい教室の床にごみが落ちてしまっています。
落ちてしまっていても子供が平気です。
解決策は簡単です。

まずは、先生が率先してごみを拾うということです。そして、自分から進んでごみを拾った子をほめるということです。
例えば図工をした時は、100円均で売っているミニほうきを子供たち全員分用意して、全員で1分、掃除を授業の終わりにすると教室がきれいになります。
とにかく、1つのごみも見逃さない、そのままにしておかないということです。
そして、子供たちにも先生はそういうことはきちんとするんだなと態度で示すことです。

◆ ②隣の子と席がきちんとくっついているか ◆

特に高学年では、隣の子との席をきちんとそろえるように指導しないと、いじめにも発展する場合があります。
(いじめの始まりを察知できなくなる場合も)
先生は、いつもは席がくっついているのに、急に席を放している子がいないかを毎回の授業の時にチェックするようにします。
もし、席が離れている子がいたら、席をくっつけるように指導すると同時に、あとでこっそり「いつもは席がくっついていたけど、何かあったの?」と聞くようにしています。
たいていその直前にケンカをしたとか、嫌なことを言われたとかがあるので、その都度そのようなトラブルは解決していくことです。
あまりしつこく聞くと嫌がられるかもしれませんが、みんなの前で聞くのではなく、こっそり聞くというのがいいと思います。

◆ ③靴箱のくつがきちんと入っているか ◆

「はきもの(靴)をそろえると こころもそろう」
という言葉もあるように、子供たちの靴の乱れは、心の乱れに直結していると思います。
靴が絶対にそろっていないといけないというよりは、靴をそろえることにも気が行かない状態はよくないと感じようということです。
他の事に気が回っている状態だなと考える材料とします。
靴をそろえるということは、意識したらすぐにできるような問題なので、そこに気が回らないということは、何かあるのかな?という視点を先生が持つということです。

◆ ④日常当番、給食当番、日直や清掃活動がきちんと行われているか ◆

(これも先ほどの靴と視点が似ているのですが)例えば、日直の活動ひとつを取ってみても少し意識すればどれもそんなに時間のかかる活動ではありません。
給食当番も清掃活動も、一人ひとりの役割で見れば、そんなに時間のかかるものではなく、きちんとしようと意識するだけでできることばかりです。
だからこそ、先生は、当番活動、給食当番、日直の活動、清掃活動の一つひとつがきちんと行われているかを見ていくことで、学級の子供たちの様子をつかむことができます。
少し様子がおかしいなと感じる学級は、ほぼ100%といってもいいくらいそれぞれの活動が機能していません。
給食当番をしない児童、大幅に遅れてくる子がいて、先生がたくさん給食を運んでいるのを見かけます。

◆ 細かい所まで見る目は、子供たちが楽しく学級で過ごすため ◆

今日は、5月下旬~6月上旬に、担任の先生自身が注意すること、学級の子供たちの様子を見る上で見て欲しい視点を4つ紹介しました。
細かくすべてを子供たちに絶対にやらせるぞ‼と、厳しく指導して、変に意気込む必要はないと思いますが、子供たちが学級で楽しく過ごすことができるためには、先生が子供たちの一つひとつの行動をきちんと観察してちょっとした変化を「おや、いつもと違うぞ」「何か変だぞ」と察知できる感性を持つことが大切なのかなと思います。

残りの視点については、次回にまた紹介します。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

川村幸久(かわむら ゆきひさ)

大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)
教師生活15年目。これまでの担任・教務主任の経験、大学院での学びを省察し、学級経営やICT活用、体育科教育を中心に、皆様と情報共有をさせて頂ければと思います。

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