100%でなくてもいいよ
新年度が始まり、どの学校も慌ただしい状況になっていると思います。私は先月卒業生を送り出したところですが、今年度は再び新入生の担任となり、新たなスタートを切りました。教員としては担任しているクラスの生徒がいなくなると寂しいものですが、今度は新たな生徒たちとの出会いに嬉しさを感じています。
クラス担任として、入学式に何を伝えるか、あれこれ考えます。さて、その後数日が経過したわけですが、今度は顔合わせが終わった段階で、生徒たちの様子を踏まえた上での声がけが必要になってくると思います。今日は、その中のひとつを紹介したいと思います。
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭 山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路
新入生の緊張はかなり大きい
https://www.manabinoba.com/tsurezure/017377.html
入学式から数日がたち、私たち教員も慌ただしいですが、新入生にとってはもっとだと思います。ここ数日で通学手段や行動時間、行動範囲、友人関係など、自分の周りの環境が大きく変化しました。特に卒業式が終わって春休みでゆっくり過ごしていた頃とのギャップは凄まじいと思います。こうした中、新入生が感じているストレスや緊張は、私たちの想像以上のものになっています。学校では必死に周りについていこうとして、家に帰るとグッタリという状況の生徒も多いことでしょう。
さて、そんな時期に、SHRなどでどんな話をしていますか??
頼っていいよ
私たちは人間ですから、常に100%の状態でいることは不可能で、時にはグッタリ疲れた様子を見せたり、気分が乗らなかったりということがあります。でも、それは当然のことであって、私たちも分かっています。特に本校は夜間定時制ということもあり、日中目一杯働いてから来る生徒はかなり大変です。だから、無理に100%の自分を出そうとせず、「今日は具合が悪くて、頑張ってはみたけど60%くらいの状態だな」ということでも良いと思います。私たち教員は、それを責めたりはしません。友達同士でも同様に、「◎◎さんは、今日は具合が悪そうだから、何か手伝ってあげようかな」といった感じで、助け合えたら良いと思います。また、自分の方から「今日はこういう状態で◎◎の活動は十分にできないかも」と、SOSを出すことも良いと思います。社会に出たとしても、人は一人で生きているわけではなく、お互いに助け合って生きているわけです。誰かに頼ることも時には必要ですから、学校でも遠慮なく、私たちを頼ってほしいと思います。
本校は卒業まで4年間なので、全日制の学校よりも長い高校生活を送ることになります。また、仕事と学校の両立という特別な状況もあります。気を張りすぎず、楽に構えることも必要だと感じ、ガチガチに緊張していた生徒たちに話をしてみました。さて、今年度はどんな1年間になるのか、楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。今年度もよろしくお願いいたします。
高橋 英路(たかはし ひでみち)
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭
クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。
同じテーマの執筆者
-
明光学園中・高等学校 進路指導部長
-
陸中海岸青少年の家 社会教育主事
-
広島県公立小学校 教諭
-
石川県金沢市立三谷小学校 教諭
-
岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任
-
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭
-
旭川市立大学短期大学部 准教授
-
兵庫県立兵庫工業高等学校 学校心理士 教諭
-
札幌大学地域共創学群日本語・日本文化専攻 教授
-
ユタ日本語補習校 小学部担任
-
大阪市立野田小学校 教頭
-
東京都品川区立学校
-
神奈川県公立小学校勤務
-
大阪市立中学校教諭、日本キャリア教育学会認定キャリアカウンセラー
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)