相当算(発展編)
今回は相当算の代表的な発展問題を解いていきます。ポイントは前回と同じで,「問題に書かれている通りに図(線分図)に表すこと」です。前回の基礎編と違うところは,問題が複雑になるため,線分図の数が少し多くなることと,作成した線分図を見て考えること(考察力)が必要な点です
問題1
コップを水で満たして重さをはかったら780gでした。その後、の水を捨てて重さをはかったら565gでした。コップの重さは何gですか。
解法
まずは、問題文をもとにコップと水の重さをあらわす図(線分図)を書いてみましょう。
最初に水を満たしたときの図(図1)
水を捨てたあとの図(図2)
捨てた水の重さは、最初に水を満たしたときの図(図1)と水を捨てたあとの図(図2)の差(線分の長さの差)になるので、
(捨てた水の重さ)=780-565=215g
残った水の重さは、捨てた水の重さの2倍になるので
(残った水の重さ)=215×2=430g
コップの重さは、(コップと残った水の重さ565g)から(残った水の重さ430g)を引けば計算できるので、
(コップの重さ)=565-430=135g
ここでは、水を捨てた後の状況で計算しましたが、最初に水を満たしたときの状態でも計算できます。
最初の水は捨てた水の3倍だから、215×3=645g、全体の重さは780gだから、コップの重さは
780-645=135gです。
答え:135g
問題2
ある学校の男子生徒の人数は、生徒全体の人数の60%より46人少なく、女子生徒の人数は、生徒全体の人数の半分より15人多いです。この学校の生徒全体の人数は何人ですか。
解法
まずは、問題文をもとに図(線分図)を書いてみましょう。
問題文には「女子生徒の人数は、生徒全体の人数の半分より15人多い」と書かれているので、女子の方が多いことがわかります。
おおまかに書くと次のようになります。生徒全体の数を1本の線であらわします。
さらにこの図に細かいところまで記入します。
するとこの図から、50%と60%の間には、31人が含まれていることがわかります。
つまり、生徒全体の10%は31人に相当しているわけです。よって、生徒全体の人数(100%)はその10倍だから、
生徒全体の人数=31×10=310人
答え:310人
問題3
太郎君はある本を読みました。1日目は全体の1/3と20ページ、2日目は残り1/4のと15ページ、3日目はさらに残りの1/2と15ページを読んだところ、残りは60ページでした。この本は全部で何ページありますか。
解説
まずは、線分図を書いてみます。少し複雑になりますが、問題文とあわせて、よく見るとわかるはずです。
まずは、3日目を見てみます。残ったページがある(右側の1/2)に着目すると、うちわけは15ページと残った60ページの合計75ページであることがわかります。つまり、3日目のは75ページに相当するわけです。
すると3日目の線分図の全体の長さは75×2=150ページに相当します。これは、2日目を読み終えたときに残ったページ数と等しくなります。
さらに2日目の残ったページがある(右側の)3つ(合計)に着目すると、うちわけは150ページと15ページで、合計165ページになります。
この165ページは、3つ分に相当しているので、 1つ分は165÷3=55ページに相当します。
すると2日目の線分図の全体の長さは、55×4=220ページに相当します
この220ページは、1日目を読み終えたときに残ったページ数と等しくなります。
この1日目の残ったページがある(右側の)2つ(合計)に着目すると、うちわけは220ページと20ページで、合計240ページになります。
この240ページはの2つ分に相当するので、の1つ分は240÷2=120ページになります。
結局1日目の線分図の全体の長さはの2つ分に相当するので120×3=360ページとなります。
これは、本の全ページ数に相当します。
答え:360ページ
教え上手 きんたろう先生
「算数の教え上手」担当のきんたろうです。よろしくお願いいたします。
私が塾・予備校で教壇に立つようになってから、10年近くになりました。どちらかというと、勉強があまり好きでない生徒を教えてきました。そんな生徒の中にも、きっかけを作ってあげると夢中になって勉強する子がいます。
そんなとき「いい仕事をした」と思います。
教え上手とは,もちろん科目を教えることが上手であることと思いますが、併せて子どもに学ぶ意欲を起こさせることだと思います。
この「教え上手」では、その両面について、私の経験を活かして述べさせていただく予定です。ご参考にしてください。