2016.07.20
  • twitter
  • facebook
  • google+
  • はてなブックマーク
  • 印刷

21th New Education Expo in 東京 現地ルポ(vol.4) アクティブ・ラーニング実践事例とプログラミング教育

21th New Education Expo in 東京 現地ルポ(vol.4)

「New Education Expo 2016 in 東京」が6月2日~4日の3日間、東京・有明の東京ファッションタウンビルで開催された。4回目の現地ルポでは、ICTを活用した授業づくりのスペシャリストである東京学芸大学の高橋純氏が1人1台の情報端末を活かした授業づくりの実践事例を紹介するセミナーと、特別支援教育におけるICT活用の優れた実践者で、学びの場.comの執筆者でもある北海道札幌養護学校教諭の郡司竜平氏が登壇したセミナー、そして展示ゾーンからは今注目のプログラミング教育に最適な教材をご紹介する。

実践視点で語る、ICTを活用したアクティブ・ラーニングのポイント

アクティブ・ラーニングと児童1人1台の情報端末活用

東京学芸大学 教育学部 准教授……高橋 純 氏
杉並区立高井戸東小学校……佐藤 和紀 氏
川崎市立平小学校……福山 創 氏

情報端末を活用したアクティブ・ラーニングの実践に向けて

2020年より順次導入が予定されている次期学習指導要領の改訂では、主体的・対話的で深い学びの視点に立ったアクティブ・ラーニングによる授業の質的改善が図られる。そこでは情報端末の活用が大きなカギを握ることから、ICT環境の整備はもちろん、授業づくりに関する注目が高まっている。本セミナーは、東京学芸大学教育学部准教授の高橋純氏がコーディネーターとなり、ICT教育の実践者である教師お二方の実践事例を紹介して、これから実践に臨まんとする教育現場への一助にしようというものである。
東京学芸大学 教育学部 准教授 高橋 純 氏

東京学芸大学 教育学部 准教授 高橋 純 氏

冒頭で高橋氏は、ICTを取り入れた授業であっても、学習習慣、学習規律、学習意欲という学習の基本要素は変わらず重要であることを強調。さらに、情報スキルの習得やPCの操作スキルの習得は、児童生徒だけでなく教員にも重要だとし、それが「タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニング授業実践の前提になる」と説いた。

また、ドリルやフラッシュ型教材によって習得した基礎的・基本的な知識・技能を活用し、自ら考え、判断する力へと高めていくためには、「授業で体験活動、思考活動、言語活動といったアクティブ・ラーニングを繰り返すことが必要」であるとし、このような学習活動に効果的にICTを取り入れる授業デザインが求められると指摘。その上で以下のような問題提起を行った。

「フューチャースクール等で行われたタブレット端末を活用した学習活動を整理すると、『情報の収集』『整理・分析』『まとめ』『発表』『ドリル』に分類されます。『学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』には探究的な学習活動として「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の四つのプロセスが記されていますが、それらと一致度が高いことから、タブレット端末の活用は探究的な学習活動で活用されやすいといえます。タブレット端末を活用して、これらの学習活動をどう充実させていくのかが本日のテーマです。両先生にはまず、最初の一歩の実践を振り返っていただき、次に福山先生の学校全体への普及実践、佐藤先生の挑戦的な実践についてお話いただこうと思います」(高橋氏)。

1人1台に向けた最初の一歩(川崎市立平小学校の取り組み)

福山創氏が在籍する川崎市立平小学校では、2011年度まで川崎市教育委員会研究推進校として社会科を中心にICT活用を実践。その後は子ども達主体のICT活用を目指し、2012年度から2013年度までパナソニック教育財団の第38回特別研究指定校として、2013年度は川崎市教育委員会の授業力向上研究協力校として情報教育に取り組み、以後、継続して実践を行っている。

同校は、「豊かに伝え合う力を育む授業づくり」として、メディアを適切に利用して主体的・協働的に学ぶ学習=アクティブ・ラーニングを既存科目の授業の中で実践してきた。
「実践にあたって取り組んだのは、『見やすくわかりやすく使いやすいカリキュラム作り』『日常的に積み重ねていく実践と研修による授業改善』『情報活用能力を育成するための情報環境の整備』の三つです。授業改善については、日常的なプチ研修で教材研究をしたり、学年の教員が一丸となって先行授業に取り組んだり、ワークショップ型の研究協議で教員同士が学びあったり、といった工夫を行いました」(福山氏)。

ここで、左の同校の研究スケジュールをご覧いただきたい。1年を3期に分け、課題と内容を設定しているが、実際の内容が当初の予定と食い違っている。これは、その都度、教員や子ども達の声を取り入れ、改変していったためだ。同校は2013年度にタブレット端末(iPad mini)を6年生の3クラスに8台ずつ設置したが、これも教員や子ども達からの要望により実現したものだという。

「充電保管庫まで購入する費用はなかったので、市販の収納ケースや電源タップを使って手作りしました。タブレット端末の使途は児童生徒にも考えさせ、花を撮影してスケッチしたり、放送委員会で番組作りに使ったりと、様々に活用されました。教員は打ち合わせの最後の5分にタブレット端末を使ってスピーチをするプチ研修を行い、操作スキルの習得に努めました。」(福山氏)。

ICTを活用した授業実践スタートアップ(北区立豊川小学校の取り組み)

杉並区立高井戸東小学校教諭の佐藤和紀氏は2016年4月に同校に赴任したばかりであるため、今回は前任校である北区立豊川小学校での経験を中心に語ってくれた。
杉並区立高井戸東小学校 佐藤 和紀 氏

杉並区立高井戸東小学校 佐藤 和紀 氏

同校でICTを活用した授業実践が開始されたのは2012年度からで、「教員のICT活用に関する校内研究」として、実物投影機や教師用PCの配置、ICTの基本的な使い方やそれを活用した授業実践が行われた。佐藤氏が研究主任となった2013年度からは前年度の研究であぶり出された「子ども達に身につけさせる能力が定まっていない」という課題をクリアするため、「情報活用能力育成に関する校内研究」を行い、将来的に児童全員にiPadを配布する計画が持ち上がっていたことから、研究のために教員1人1台のiPadの配布を実施した。

「教師自体が情報活用能力への理解に乏しい状況だったので、その改善を狙いとして、教師が用いる情報活用能力の評価基準や、子どもが情報活用能力を自己評価するための学習支援カードの作成などを行いました」(佐藤氏)。

とりわけユニークな取組みと言える学習支援カードは、「ICT活用」「情報を集める」「情報をまとめる」「情報を伝える」「情報モラル」という五つの観点から、各学年と特別支援学級で作成された。カードには、例えば「ICT活用」という項目では「キーボードを使う」というように実践すべき内容がわかりやすく示されている。

同校では2014年度も引き続き情報活用能力育成に関する校内研究を行い、前年度から少し踏み込んで、各クラスに10台(一部1人1台)の児童用iPadの順次導入を実現。タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニングの授業実践を本格的に開始した。

タブレット活用次の一歩~学校全体への普及実践(川崎市立平小学校の取り組み)

川崎市立平小学校が導入したタブレット端末は様々に活用され、次年度の後半にはプレゼンテーションへの活用が増加。プレゼンテーションの練習の模様を撮影し、後でその動画を見て、声の大きさや内容などの振り返りに活用した事例では、振り返りの結果はクラスで話し合って内容を決めたチェックシートに記入し、それを再チャレンジに活かすというフィードバックの仕組みも定着した。

「タブレット端末に慣れた2015年度以降の実践で興味深かったのは、子ども達がタブレット端末の動画撮影機能をインタビューの音声録音に活用していたこと。こんな活用の仕方もあるのだなと感心しました」(福山氏)。
 自主的、協働的というアクティブ・ラーニングのコンセプトが児童達にも浸透していく様子がうかがえる。

「本校ではこうした実践研究を通してカリキュラムの作成を行いましたが、その中心となったのが、情報活用の実践力を構成する項目をまとめた『平小のスキル』と、平小のスキルを育成する『重点単元一覧』です。『平小のスキル』は情報の収集、整理・分類、構成・編集、表現、発信の五つの要素で構成されていますが、子どもの活動や学習場面をイメージしやすいよう、それぞれ『あつめる』『なかまわけする』『くみたてる』『あらわす』『つたえる』という言葉に置き換えています。これはスキルごとに学年や教科の単元に対応しており、『重点単元一覧』にまとめられています」(福山氏)。

同校で情報活用能力を育成する授業が定着するまでには、「ICTの日常化→ICTを効果的に活用した授業づくり→情報活用能力の育成を意識した授業づくり→児童が情報メディアを適切に活用する情報活用のある授業づくり」というプロセスがあった。ICT活用に楽しく主体的に取り組み、協働的に学び合い、学習規律や教育手法といった手立てを共有し、カリキュラムという枠組みを作ることによって、教員の授業づくりへの意識は変わり、子ども達にも伝わっていった。今では「教師が変わると子どもも変わる」という言葉が平小学校の格言になっているという。

なお、同校は児童用のタブレット端末は職員室に充電保管庫を置いて管理し、貸出状況はホワイトボードに表を作ってまとめ、待機台数や貸出台数、使用者、試用期間、予約状況などがひと目でわかるよう工夫している。教師は目的に応じて日常的にタブレット端末を活用することができ、児童も教師の許可を得ればタブレット端末を使用できるような持続可能な運用方法を取り入れているとのことだ。

アクティブ・ラーニング授業成立の必要条件(北区立豊川小学校の取り組み)

佐藤氏はアクティブ・ラーニングの授業実践と、アクティブ・ラーニングを支える実践について話してくれた。詳細については、学びの場.comに掲載されている佐藤氏の実践授業の様子も参考にしてほしい。

佐藤氏は1人1台の情報端末を活用したアクティブ・ラーニングの実践のためには、教員には学力観、授業設計、ICTスキル、情報活用能力への理解が必要であり、児童にはICT活用スキル、思考スキル、情報活用能力が必要であると考えているという。佐藤氏は児童の誕生日カード作りの事例を挙げ、「改行」というキーボードの機能を知っているかどうかでアウトプットに差が生まれることを示した上で、アクティブ・ラーニング実践のポイントについて以下のようにコメントした。

「スキルの積み重ねがなければ、子ども達は上手にタブレット端末を活用することができません。アクティブ・ラーニングの実践を可能にするには、『メディア環境(タブレット端末、図書・新聞、掲示物・作品など)』『思考スキル(使用するシンキングツールの判断、情報の整理・分類・比較・判断・順序・関連)』『ICTスキル(タイピング、基本操作、ICT活用感覚など)』『情報活用(情報活用能力、メディア・リテラシー)』という四つの要素が、各教科と総合的な学習の時間で相互にやり取りされることが必要だと思います」(佐藤氏)。

佐藤氏は、キーの配置を把握できていればタッチキーボードでの文字入力もスムーズに行えるとして、ICTスキルの中でもキーボード入力は「タブレット端末を本格的に活用する前に習得させることが重要」だと指摘。タブレット端末だけでなく、アナログも含めた複数のメディアを組み合わせて使えるようなメディア環境を整えることも重要だとした。

「情報活用については、自主学習ノートの作成を通して、わかりやすいまとめ方や図やグラフを使った表現などのスキルを繰り返し学ばせました。ノートの表紙の裏にはチェックリストを貼り付け、実践した回数を把握できるようにしました。箇条書きのプレゼンテーションを魅力的なプレゼンテーションに改善するという学習活動を通して、より良い情報活用の仕方に気づかせるという試みも行いました。これは思考スキルの育成にも有効です」(佐藤氏)。
 結果、同校の子ども達は自分で考え、工夫して学習活動に取り組むようになり、ICT活用力も格段に向上したという。

最後に、佐藤氏は次のように述べ、プレゼンテーションを締めくくった。
「教師の学力観や授業設計、ICTスキルは、児童生徒の思考スキル、ICT活用スキル、情報活用能力に影響します。教師ができないことは子どもにもできません。まずは教師が必要なスキルや能力を身につけた上で授業に臨むことが必要です」(佐藤氏)。

アクティブ・ラーニングでのICT活用に有効な3ポイント

本セミナーの終わりに、福山・佐藤両氏は以下のようなまとめのコメントを述べた。いずれも実践者だからこそ語ることのできる、示唆に富んだものだ。

「1人1台のタブレット端末環境が実現される未来に向け、限られた台数で実践研究を行っている各学校は経験を深め、成果を積み上げていかなければいけないと思います。私達教員が切磋琢磨し、もっと日常的に、もっと効果的にタブレット端末を活用できるようレベルアップを図ることが、1人1台タブレット端末環境の下支えになるのではないかと思います」(福山氏)。

「豊川小学校では独自にICT環境を整備したのですが、教員が管理するタブレット端末の数が最大で1人200台に及ぶこともありました。そういった周辺業務の後任をどうやって育て、引き継いでいくか。ICT支援員を採用している学校も多くはないですし、今後はこういった問題に取り組んでいく必要があるでしょう。それにより、教員がアクティブ・ラーニングを実践しやすい環境が実現できるのではないかと思います」(佐藤氏)。

本セミナーの総括として、高橋氏は両氏に共通する三つの大きなポイントを抽出した。

1. スキルに着目したカリキュラムづくり
身につけるべき情報・思考・操作スキルを明確化し、学習支援カードなどを用いて主体的に日常的に鍛えることができるよう、意識していた点が印象的だった。

2. 普段使いできる情報環境の整備
まずは教員がICTに慣れることが重要であるとして、教員用の機器から常設し、研修を実施。ワンタッチで活用できる保管方法にも工夫が見られた。

3. 日常的な実践
回数をこなし、授業の改善点をこまめにチェックすることで、実践の質を高めることにつながっていた。

「これらの要素が前提にあると、タブレット端末を活用したアクティブ・ラーニングによる探究的な学習活動の実現がしやすくなり、子ども達の深い理解が促され、学習指導要領の学習目標がもう少し高いレベルで達成できるようになると思います。簡単なことではありませんが、今日、両先生のお話を聞いて『チャレンジしよう!』と思っていただければ本望です」(高橋氏)。

学びの場.com執筆者もセミナーに登壇!

ICTを活用し、思考・判断・表現スキルを身につける実践報告

北海道札幌養護学校 教諭 郡司 竜平 氏

北海道札幌養護学校 教諭 郡司 竜平 氏

――北海道札幌養護学校 教諭 郡司 竜平 氏

NEE2016で開催された「21世紀型スキル育成のためのアクティブ・ラーニング授業実践報告」セミナーでは、学びの場.comの「教育つれづれ日誌」に寄稿されている北海道札幌養護学校教諭・郡司竜平氏も登壇した。

特別支援学校におけるICT活用は学習困難等の障害を有する子の学習の補助はもとより、自立や社会参加に向けた主体的な取組みを行っていくという特別支援教育の趣旨を加速するものとして期待されている。

郡司氏は特別支援教育におけるICT活用に長けた実践者で、率先して自らトライ&エラーを行う、進取の精神に富んだ教育者である。そんな氏の一端は「つれづれ日誌」の連載でも感じられる。

セミナーにおいて郡司氏は「特別支援学校における試行錯誤の取り組み」と題した発表を行った。実践事例の一つが、同校小学部6年時の一番始めに行われるオリエンテーリングで行う「自己紹介の達人プロジェクト」(児童が新しく赴任した教員等に自己紹介をする学習)。iPadやビデオを活用して自己紹介トレーニングにいそしむ児童の楽しそうな姿から、彼らが他者と協力しながら自己紹介という、思考・判断・表現する社会スキルを身につけていく様子がうかがえ、興味深い取り組みであることが伝わってきた。
「この実践では、振り返り・改善を行うことで、子ども達は思考・判断・表現スキル等を“自ら・次へ”と主体的に身につけていくようになり、教員は児童の力を再発見することになりました。私は、学習支援者として子ども達の学習を保障するため、日常的に使えるICT活用の必要性を感じています」 と、郡司氏は発表を締めくくった。

写真:赤石 仁/取材・文:吉田秀道、吉田教子<
※文・写真の無断使用を禁じます。

展示ゾーン

[プログラミング教材]小学生でも「プログラミング的思考」を育める教材が登場!

『レゴ(R)WeDo 2.0基本セット』の一部。プログラムを示すアイコンを並べれば、左側から順番に実行される

『レゴ(R)WeDo 2.0基本セット』の一部。プログラムを示すアイコンを並べれば、左側から順番に実行される

プログラミング教育が、今、注目を集めている。次の学習指導要領で、プログラミング教育が小学校から導入されることが濃厚になったためだ。「子どもにプログラム言語を学ばせて何の意味があるのか」「職業教育ではないか」との批判も出ているが、これは誤解。文部科学省の「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」が先日発表した「議論のまとめ」には、「プログラミング的思考」を育成する、と明記されている。コーディング(プログラムを書くこと)を学習するのではなく、意図した通りに動くプログラムを作る過程を通して、計画を立て、試験し、問題を発見して解決するといった、論理的思考力を育むのがねらいなのだ。

それに最適な教材が、あのレゴ(R)から今年4月に発売された。
「レゴ ジャパン株式会社では十数年も前から、『レゴ(R)マインドストーム(R)』を使って、学校でのプログラミング教育を提案してきました。そんな当社が、小学校向けのエントリーモデルとして開発したのが、この『レゴ(R)WeDo 2.0』です」
と担当者。『レゴ(R)WeDo 2.0基本セット』は、レゴ(R)ブロック、モーター、センサーなどがセットになった教材。レゴブロックでクルマなどのモデルを組み立て、PCでプログラミングし、Bluetoothでモデルに送信し、動作させるのだが、特筆すべきはプログラミングのしやすさだ。

『レゴ(R)マインドストーム(R)EV3』。組み立てられるモデル数、センサーの種類などがWeDoより多く、細かいプログラミングが可能。とはいえ、アイコンでプログラミングできるので子どもでも使いやすい。WeDoの次にチャレンジするとよいだろう

『レゴ(R)マインドストーム(R)EV3』。組み立てられるモデル数、センサーの種類などがWeDoより多く、細かいプログラミングが可能。とはいえ、アイコンでプログラミングできるので子どもでも使いやすい。WeDoの次にチャレンジするとよいだろう

プログラミング言語は一切使わない。覚える必要も、書く必要もない。プログラムは、すべてアイコンで示される。たとえば、「モーター始動」「ハンドルを切る」「超音波センサーで前方障害物を検知」などのアイコンを、ドラッグ・アンド・ドロップで、命令実行順に並べていけば、たったそれだけでプログラムが組めるのだ(モーターのパワー量など、アイコンごとに数値設定も可能)。

たったそれだけで、などと言ったが、これがなかなか歯ごたえがある。アイコンを並べる順番が正しくなければ、思った通りには動かない。例えば、「車を走らせて、センサーで前方に障害物を察知したら、停止する」という動きをさせたいのに、「停止する」アイコンが「センサーで障害物を検知する」アイコンよりも前になっていたら、車は障害物に関係なくすぐ停止してしまう。

プログラムを組んでは試験走行させ、問題の原因を探り、プログラムを改善し、また試験し……を繰り返す力が必須。「プログラミング教育」が育もうとしているのは、まさにこれだ。

この『レゴ(R)WeDo 2.0』は、あの筑波大学附属小学校で、すでに実証研究中とのこと。教師はほとんど指示を出さず、子どもだけで問題に取り組み、解決するという興味深い授業が展開されているそうだ。「プログラミング教育をしなさいと言われても、何をすればいいかわからない」とお悩みの方は、この『レゴ(R)WeDo 2.0』を試してみてはどうだろうか。

写真:言美 歩/取材・文:長井 寛

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

pagetop