2016.01.15
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シャカリキ社会科 ~第19回『お雑煮は社会科具材の宝庫』~

広島県公立小学校 教諭 中村 祐哉

お雑煮は「日本」の味!

 今日は,一般的には,小正月と呼ばれる1月15日です。

 読者みなさまは,どのようなお正月をお過ごしになられましたでしょうか?

 お正月といえば,衣食住で様々な日本文化を感じることのできる時期でもあります。

 御節料理は,その日本の食文化の代表例の一つです。

 そして,見出しにも入れさせて頂いたお雑煮もその一つであるといえます。

 私が以前,在外教育施設である日本人学校に勤務していた際に,社会科の授業の中で,クラスの子どもたちが自分の家のお雑煮を紹介しながら,日本の各地域の特色に迫るという授業を組んだことがあります。日本全国から集まっている子どもたちは,それぞれの地域で異なる素晴らしさをもつお雑煮を,具材も合わせて熱く紹介してくれました。

 そこには日本の食文化と伝統,そして郷土愛に地域の特産品など,社会科の具材(教材)がぎっしり詰め込まれたものだと感じました。

 

お雑煮は「地域」の味!

 ここでは一例として,我が家に伝わるお雑煮をご紹介させていただきたいと思います。

我が家のある広島県内各地域の特産品をふんだんに取り入れたものになっています。

 

◯我が家のお雑煮具材と調味料

・牡蠣・・・広島県廿日市市

・はまぐり・・・広島県広島市西区

・垰下(たおした)牛・・・広島県竹原市

・吉原ごぼう・・・広島県東広島市

・人参・・・広島県広島市安佐北区

・かまぼこ・・・広島県広島市西区

・瀬戸内レモン・・・広島県尾道市

・酒・・・広島県東広島市

・醤油,みりん,昆布だし

・丸もち(煮る)

 

 地形的にも気候的にも「日本の縮図」と呼ばれる広島県。海の幸と山の幸に恵まれた,「地域」のよさを生かした味が染み込んだ美味しいお雑煮の完成です。

 

 お雑煮は「社会科具材」の味!

 このように文化的側面からでも生産的側面からでも社会科としてのアプロ−チが可能なお雑煮という教材。

 さらには,子どもたち自身が食べて体験できる「地産地消」へと実際に触れることのできる良さも兼ね備えています。

 これからも,普段の生活の中の何気ない社会的事象を,いかに教材化していくかという視点を大切にしていきたいなぁ,と感じる今日この頃でした。

 

 さて次回は,2月4日(木)の更新になります。まだまだ拙い教育実践ではありますが,本年も何卒よろしくお願い致します。

 

【参考文献】

日本のお正月~お雑煮をめぐる物語~:日本列島雑煮文化圏図(Fujiyama NET)

http://www.konishi.co.jp/html/fujiyama/zouni/zouni/zouni_map.html 

中村 祐哉(なかむら ゆうや)

広島県公立小学校 教諭


「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。

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