2015.12.28
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シャカリキ社会科 ~第18回『地域の特産品を教材へ』~

広島県公立小学校 教諭 中村 祐哉

 第3学年『畑ではたらく人びとの仕事』

 第3学年社会科・11月/12月の学習は『わたしたちのくらしとまちではたらく人びと』の単元で『畑ではたらく人びとの仕事』の授業を行いました。この単元は,『工場』または『畑』などを学びの場として選択し,学習を行う単元となっており,地域の実態に合わせて教材開発を行っていく必要があります。

 そこで,今回は『工場』または『畑』に共通して生かすことのできる地域の「特産品」を教材に,第3学年の社会科授業の本単元の実践をご紹介させていただければと思います。

 

 「特産品」とは?

 「特産品」とは,その土地や特定の地域で気候風土を生かして生産された物品を指しています。

 ここの学習では,子どもたちには,「特産品」の言葉の意味をおさえて学習に入らせる必要があります。

 第3学年の場合,ほとんどの児童は「特産品」とは,地域でたくさん作られているものを指しているという認識があります。

 しかし,「特産品」という言葉と多産の意味を指す「有数の産地」という言葉は結びつきません。また知名度のある「名産品」とも,その定義は異なります。

 つまり,これまでの既習事項である「わたしたちの住んでいるところ(わたしたちの市町村のようす)」の学びに立ち返り,まずは,地域の気候風土を生かした「特産品」の生産者の工夫と努力に学びを結びつけるような授業デザインを行います。

 

 「特産品」を教材にした学びの先にあるものとは?

 その生産者の工夫と努力を知る学習の先にあるものとは,それによって自分たちとの生活にどんな関わりがあり、他地域とどんな結び付きがあるのか?を知ることにあります。

 単元の展開の中で「特産品」の生産の過程に複数時間触れるため,生産者の工夫と努力にスポットが当たりやすくなってしまいますが,単元のまとめとしては,自分たちとの生活との関わりへ学びを方向付けていく必要があります。

 この単元のまとめにあたる「特産品」の生産と自分たちの生活との関わりに迫る授業では,児童にその社会的事象を「自分ごと」として考えさせることで,児童個々の学びの深まりにつながっていくと感じました。

 

 さて,本年も拙稿をご拝読くださり,本当にありがとうございました。

 次回は,来年1月15日金曜日の更新となります。まだまだ学び半ばの教育実践ではありますが,来年もどうぞよろしくお願い致します。それでは,読者の皆様におかれましても,良いお年をお過ごし下さい。

中村 祐哉(なかむら ゆうや)

広島県公立小学校 教諭


「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。

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