日本遺産とは?
9月のシルバーウィークを使って,日本で最初の日本遺産指定(同時指定18箇所)を受けた広島県尾道市『尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市』に行って参りました。
ここでお話に出てくるのは世界遺産ではなく日本遺産。
あまり聞きなれない名称かも知れません。それもそのはず,まだ今年の4月に第1期の指定18箇所が選定されたばかりなのです。滋賀県の琵琶湖などもこの第1期で指定を受けた日本遺産です。
日本遺産とは,文化庁が日本各地の文化・伝統などを国内はもとより海外にまで発信していこうと設けた政策の一つです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて100箇所程度までその指定を増やしていく計画のようです。
日本遺産『尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市』(広島県尾道市)
さて,話は本題に戻り,今回訪れた尾道市の観光街には日本遺産指定を祝うポップ広告が至る所に掲げられていました。
秋晴れの中,太陽光の反射で輝く尾道水道が街を明るく照らし,暖かな日差しと心地よい潮風が歴史ある街並み全体を優しく包み込んでいるような素晴らしい街でした。
出会った街の方でお話を伺えた方々は,どの方も日本遺産の指定を受けたこの歴史ある尾道という街に住んでいるということをとても誇りに思っている,と仰られていました。
街に住んでいる人が,住んでいる街を誇りに思うということ…お話を伺った方の中には,尾道が郷里の方もそうでない方もおられました。
この街が観光客だけでなく住んでいる方々からも愛されている街だということがよくわかりました。
日本遺産教材化への道
日本遺産の指定は,前述した通り,今後100箇所程度まで増えていくと思われます。
『わたしたちの町を日本遺産へキャンペーン!』を子どもたちと計画していくという社会科授業は,まさにアクティブラーニングといえる学習計画を立てていくことができるものだと考えています。
小学校社会科の具体的な学習単元ならば,3年生の『まちたんけん』や『わたしたちの住む市・町・村のようす』の学習,4年生の『わたしたちの県(都道府県)のようす』の学習,5年生の『食料生産・地産地消』の学習,6年生の公民単元などが考えられると思われます。
私は,日本遺産は今後の指定ペースを考えていくならば,特に4年生以上の社会科の学習においては,子どもたちにとって,より身近なものになっていく可能性が大きいのではないかと考えています。
これからの小学校社会科で地域に寄り添った日本遺産(もちろん世界遺産も)を扱った単元計画・授業づくりをしていくことは,子どもたちの主体的な学びにおいて効果的な素晴らしい教材にもなっていくのではないかな,と感じた旅でもありました。
さて,次回は10月29日木曜日の更新になります。第18期つれづれ日誌もどうぞよろしくお願い致します。
中村 祐哉(なかむら ゆうや)
広島県公立小学校 教諭
「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。
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