庄内平野のフィールドワーク
今回は,今年の8月上旬に訪れることのできた山形県/庄内平野における社会科授業づくりに向けてのフィールドワークレポートをお届けしたいと思います。
庄内平野のお米づくりに関わっておられるあたたかい人々との出会いと,お米に関する学びが今回のフィールドワークにおける最高の宝物でした。
そして,子どもたちが学習する単元において,社会科見学等で訪れることのできない場合は,教師が授業をおこなう際に,実際にその土地を訪れておくことの大切さを改めて感じることができました。
庄内平野とあたたかい人々
庄内平野では,地元のJAや山形県農業総合研究センター(水田農業試験場・山形県病害虫防除所庄内支所を併設),山居倉庫・庄内米歴史資料館,また庄内平野から少し足を伸ばして,日本の棚田百選『櫟平』も訪れることができました。
地元の方々は,取材の中で『広島県からお米の取材に来た』と伝えると,どの場所でも本当にあたたかく迎え入れてくださりました。実際に,ご厚意で水田を眺めながらお米をご馳走になったり,お米づくりに必要な施設や様々な関連箇所を見学させて頂いたりと,その場所を訪れたからこそわかるすばらしさがありました。地元の方々のあたたかさに心から感謝の気持ちでいっぱいです。
あたたかい地元の人々との出会いは,フィールドワークをさせて頂いて,いつも感じることのできるすばらしさの一つです。そして,地元の方々の工夫と努力,米作りに対する熱い思いや願いを教材に変えて,子どもたちと共に米づくりの今と食料生産のこれからを学び考えていきたいと決意を新たにすることができました。
庄内平野とお米
庄内平野とお米のつながりは,多くの書籍やウェブページ・教科書・資料集などに掲載されているので,ここでは庄内平野を訪れたからこそ感じることのできたお米について記していきたいと思います。
それは,お米と地元の方々の距離感です。品種に違いはあるにせよ,庄内平野で取材させて頂いた方々は,お米を心底,愛しておられました。そして,農家の方々も試験場で品種改良の研究をされておられる方も,お米と日本人のこれからを真剣に考えておられました。米づくりに対するヴィジョンを短期・中期・長期ともっておられ,米づくりに対するプライドと信念を強く感じました。私自身,お話を聞いていて,お米に対するその思いに胸が熱くなりました。
(1)米づくりを愛している。
(2)お米と日本人という視点がある。
(3)米づくりに対するヴィジョンとプライド・信念がある。
これは,実際に訪れてお話を直接聞かなければ感じることができなかった生産者の大切な願いと思いでした。
これを教材にしていくことは簡単なことではないと思います。
しかし,その願いや思いを授業をする教師が知って教壇に立つこと・実際にお話を伺って直接感じとって授業に臨むことこそがまずは大切なのではないでしょうか。
中村 祐哉(なかむら ゆうや)
広島県公立小学校 教諭
「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。
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