日本の主食『お米」を学ぶということ
小学校第5学年・社会科の夏休み前は『わたしたちの食生活と食料生産』の中の単元『米作りのさかんな地域』の学習でした。
今年度は,社会科専科に就かせて頂いているので,標準時数11時間の中で,米をついて,もちが練りあがってしまうくらいに力を入れて,練りに練って子どもたちの実態に沿った単元計画と教材研究に取組んでいきました。
単元の終わりには,教材研究にもどっぷり嵌まり込んでしまい、応募資格には該当しないのですが、お米に関する資格である『お米マイスター』の資格が欲しくなってしまいました。
本単元は,小学校学習指導要領解説社会編(平成20年・文部科学省/東洋館出版社)の内容取り扱いにおいて,
「国民の主食を確保する上で重要な役割を果たしている稲作については必ず取り上げる。」
と明記されています。
類似した表現はあるものの,「必ず取り上げる。」という表記は,学習指導要領解説内ではなかなか目にしません。もちろん他の単元でも学習指導要領に記載のあるものはきっちり取り扱っていくのですが,この表記からも子どもたちが『米作り(稲作)』を学習するということの重要性を感じられます。
取組んだ授業内容を記すとあまりに長文になってしまうので,今回は,私がこの単元で扱った教材を中心に,ご紹介させて頂ければと思います。
『米作りのさかんな地域』で扱った教材・ワークシート
◎実物教材
・祖父母宅で実際に採れたお米
・日本のお米と海外のお米
・市販されている米袋34パッケージ(補足:学級の人数分,異なる種類の米袋を集める)
・お米に関するマスコットキャラクター&ゆるキャラ(JA広島:い~ねくん・JA福岡:めし丸くん など)
・プロサッカーチーム J1『モンテディオ山形』のユニフォーム
・全国各地のさまざまな種類のふりかけ
◎ICT教材
・お米のテレビCM
・農家取材DVD(教師自身が実際に農家の方々にインタヴューしたもの)
・教師自身が実際に田植えやコンバインに乗って稲刈りをしているシーンのDVD
(※DVDに関しては,Video studioやMovie makerなどで教師が自作する。子どもたちが実際に農家の方々へ直接インタヴューできる場合や,田植え・稲刈り等が体験できる学校環境の場合は除く)
◎ワークシートなど
・お米に関する『なぜ?』『どうして?』『どうやって?』を書き挙げていく付箋紙
(単元の導入:社会科の先輩先生からご教授頂いた方法で,付箋紙一枚にひとつの疑問を書かせることで一人で50以上の疑問を出した児童もいました。どのクラスも学級全体で300以上の『なぜ?』『どうして?』『どうやって?』が生まれました。)
・お米のパッケージに見立てたワークシート
(単元のまとめ:児童がそれぞれ米袋のパッケージデザインをすることで,本単元のポイントとキーワードを振り返ります。)
日本を感じる美味しい社会科
本単元のラストは,家庭科との弾力的な指導計画の元,炊きたてのお米を食べて学習のまとめを行います。
普段何気なく食べてしまっていた日本の主食・お米。
毎日の給食のお米も,学習を終えた後は,噛みしめるように味わって食べていた子どもたちの笑顔がとても印象的な単元でした。
そして!私自身も、子どもたちと学んだこの授業と教材研究で,さらに社会科魂が熱く燃えたので,今年の夏は,『日本の米どころ』山形県・庄内平野へ現地取材に行って参ります。
(※現地取材の様子については,8月27日(木)公開のつれづれ日誌でお届けしたいと思います。おたのしみに!)
さて次回は,8月10日(月)の日誌更新になります。この夏も『シャカリキ社会科』をどうぞよろしくお願い致します。
中村 祐哉(なかむら ゆうや)
広島県公立小学校 教諭
「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。
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