2015.06.16
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中村祐哉のシャカリキ社会科 ~第8回『キャッチフレーズから入る社会科授業』~

広島県公立小学校 教諭 中村 祐哉

 キャッチフレーズを社会科の導入に生かす

 社会科の授業において,地域の特産品や観光地などを教材として扱う際に,キャッチフレーズを授業や単元の導入で取り上げることがあります。

 学習のまとめとして,子どもたち自身がキャッチフレーズづくりをするという展開例はよく目にするので,ここでは導入にポイントを絞ってお話を進めていきたいと思います。

 今回は,この時期に学習することの多い小学校第5学年の単元を例に,キャッチフレーズを使用した授業導入場面における実践事例をご紹介していきたいと思います。 

 

 キャッチフレーズ導入単元・第5学年『日本の国土と人びとのくらし』~あたたかい土地(沖縄県)の人びとのくらし~

 この小見出しの単元では,あたたかい土地(沖縄県)の人びとのくらしを支える農業や産業についてふれる授業があります。教科書や資料集では,パイナップルやサトウキビなどの農産物について取り扱いがありますが,私は沖縄県今帰仁村(なきじんそん)で生産されている今帰仁(冬)スイカを教材に授業を展開しました。

 子どもたちにとって,パイナップルやサトウキビというものは沖縄県とのイメージの結びつきもよく,生産が盛んだということを既習前に知識として知っている児童も多くいました。

 パイナップルやサトウキビについて少しふれたあと,

「まだ沖縄県で生産・出荷されているあたたかい土地の特色を生かした農作物があるよ。ヒントは,こたつ!」といって子どもたちに質問をふると,子どもたちは「みかん!みかん!」と満足顔。

 そこで,こちらが提示する今帰仁(冬)スイカを扱うあるお店のキャッチフレーズの登場です。

 電子黒板に拡大して,勢いよく提示したものは

『一度こたつに入りながら冬スイカを食べてみたかった。』

というキャッチフレーズ。子どもたちは,驚きの声を上げるとともに,笑顔で不思議がっています。子どもたちが笑顔で「なぜ?どうして?」と問い,疑問点を生む社会科授業が私は大好きです。

 このように子どもたちの予想とは異なるキャッチフレーズを導入で扱ったことにより,子どもたちは非常に意欲的に学習に取り組むことができました。学習の内容も一つ踏み込んだところまで,子どもたち同士で資料を活用しながら考え抜き,深め合うことができました。

 

 わたしたちに身近なキャッチフレーズも教材に!

 他にも教材となる可能性を秘めたキャッチフレーズは,教師がそのアンテナを張っておくことで,もっと見つけ出すことができます。

 例えば,第4学年『わたしたちの住む県』の学習単元ならば,私の勤務校のある広島県では『おしい!広島県』・『泣ける!広島県』,そして今月10日に出たばかりの『カンパイ!広島県』などの自治体が提示したキャッチフレーズの活用が考えられます。

 どの学年でもキャッチコピーを教材として扱う際には,子どもたちにキャッチフレーズを使うことの良さや効果を感じさせると共に,キャッチフレーズの先にあるターゲットを見据えさせなければならないと思います。

 ただ面白いだけにとどまらない,社会科の学習としての工夫も教師側には必要となってくるのではないでしょうか。

 

参考資料:『小学校社会 授業で使える 全単元・全時間の学習カード〈5年〉』東洋館出版社(2013年)安野功・鈴木宏紀

中村 祐哉(なかむら ゆうや)

広島県公立小学校 教諭


「社会科教育」「国際教育」「ESD」をメインテーマに,日々授業実践と研究に取り組んでおります。拙い教育実践ではありますが,共に学ばせていただければ幸いです。

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