2014.12.18
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「社会科を楽しもう!」

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭 宗実 直樹

   

 先日、社会科の研究授業を行いました。

「給食」をネタにして、戦後日本の復興について問いをもたせる単元導入部の授業でした。

ねらいは「戦後の人々の暮らしに興味をもち、学習問題をつくることができる。」というものでしたが、たくさんのご意見をいただいて非常に勉強になりました。

 

 

 私は社会科というものが苦手、というよりも正直嫌いでした。

何をどう教えたらいいのかもよく分かっていませんでした。

でも、今はとても楽しく大好きな教科になりました。

 こんな私でも、好きになれた理由は、少しの工夫でした。

今回は、意識して工夫した以下の5点を紹介させていただきます。

 

(1)資料を楽しんで探す。

 書籍やパンフレットなど、様々ですが、ネットで探すのが最も多いです。

例えば6年生社会、戦時中の資料で集めて面白かったのは、

・戦時中の運動会競技
・戦時中の歌
・戦地からの手紙
・代用品の数々
・グリコのおもちゃ
・学習雑誌
・お墓調べ

などなど…。

 授業の中でどのように扱い、どのように授業を組み立てていくのかを考えるとワクワクします。

資料ひとつで授業が変わります。

普段から「資料集めの視点」をもっていることが大切だと思いました。

 

(2)資料の見せ方を工夫する。

 上記のような資料を集めて、どう提示するかで子どもの反応も大きく変わりました。

例えば、

・一部を隠す。
・比較して提示する。
・順番に見せる。
・アップやルーズで提示する。

などなど。

 もちろん、どうしてそのような提示の仕方をするのか、意図がなければいけません。

提示の仕方を工夫して、ひとつの資料から予想したり考えさせたりすることが多いです。

「脱暗記教科、考えさせる社会科に!」

そう考えています。

 プレゼンソフトを使って制作したものが、子どもたちの反応は最もよかったです。

 

(3)クイズやミニネタを用意する。

 授業の導入場面で活用することが多かったです。

なぜなら、社会科嫌いが多かったからです。

社会科に対するハードルを下げ、興味・感心を高めるためです。

「歴史人物私はだれでしょう」や「地図帳早探しバトル」、「嘘かホントか○×クイズ」など、手軽に簡単にできることを入れていきます。

 もちろん、導入だけでなく、展開や終末段階でも効果的に取り入れていきます。

「あなたならどっち?」「賛成?反対?」など、自分の立ち場をしっかりと決めさせ、思考させること。

「吹き出しでしゃべくり」で、農家の人や歴史上人物になりきってその立場で考えることなども効果的です。

クイズと解説のみで1授業を構成することもあります。

 楽しみながら知的好奇心をくすぐれるように意識しました。

 

(4)ICT機器をフル活用する。

 拡大提示器で教科書や資料集の写真やグラフを大きく映すだけでも違います。

上記のように、プレゼンソフトで画像や動画を効果的に活用するのもかなり効果的です。

子どものノートを拡大して提示、賞賛、価値付けすることで、あたたかい雰囲気で授業をはじめることができます。

 ICT機器の準備等で空白の時間を作らないように、前もってチェックし、リズムとテンポを意識することが大切です。

 

(5)資料集、地図帳をフル活用する。

 新任の時、ひどいときは、地図帳を数回開いただけでその学年が終わってしまうことがありました。

6年の歴史学習では全く使用しない、という時もありました。

資料集に関しても同じです。

 しかし、これほど活用して楽しく、学び多きものはありません。

「開きなさい。」と指示を出さなくても自分たちで調べる習慣を付けさせました。

資料集には教科書にない写真や説明がたくさんあります。

分からないときに使わない手はありません。

また、資料集は自由に切り取っていいことにしました。

切り取ったものをノートに貼って、ノートを「MY参考書」にするように。

 歴史上の合戦があればその場所を地図帳で調べたり、「おもしろ地名探し」などで単純に楽しんだりしました。

 とにかく地図帳や資料集に慣れ親しみ、使いこなせるようになることで、授業が豊かになっていきます。

 

 

 

 以上5点の中でも特に資料集めに夢中になり、自分自身が新たな発見をすることがとても楽しかったです。

でも、資料集めって自分一人でするのって大変ですよね。

こういうときのネットワークってとても大切だと思います。

一番はサークルの仲間達と集め合った資料でした。

共同研究していたら、様々な資料が集まります。

今やメールで簡単に送れるので、お互いに資料を共有しあったりしています。

 そして、集めた資料の中から「選ぶ」ことが大切でした。

集めたもの・あるものすべてを使いたくなります。

そうして失敗したことが私はたくさんあります。

必要なのは「捨てる勇気」。

厳選して資料の使用をしたいです。

 

 

 指示・発問・板書・ノート指導など、ますます研究していかなければいけないことばかりですが、まずは教師自身が楽しむことが大切!

そう感じました。

 

 

 みなさん、ぜひいっしょに社会科授業を楽しみましょう! 

宗実 直樹(むねざね なおき)

兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
特別活動を学級づくりの中心に、「字をかき、汗をかき、恥をかき、頭をかき」ながら、子どもたちと共に伸びていく姿勢を大切にしています。日々是好日。地道に一歩ずつ精進していきたいです。

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