子どもを見守るために、大人も立ち止まる~全職員研修
秋真っ盛りのボーズマンでは、赤や黄色の葉っぱがはらはらと舞い散っています。そんな秋も、もうすぐ終わりそうです。
今週末には、初雪の予報が出ています。
さて、今回は、9月28日に行われた全職員研修の様子をつづります。
ボーズマン・モンテッソーリ保育士 城所 麻紀子
総勢35人の全職員研修
この日は、朝から教材の保管庫を整理しました。その後、ランチの時間に別の校舎へ移動し、総勢35人の全職員研修に参加しました。
新しい先生たちも多く、これまでの振り返りも兼ねて、ボーズマン・モンテッソーリで教育の基盤としている「規律」などについて、講義を聞いたり、グループで話し合ったりしました。
正直なところ、研修よりも、保管庫の整理整頓や授業の準備、部屋の掃除などに、もっと時間を使いたいなあと思っていました。日々の仕事の中には、まだまだ片づけたいこと、準備しておきたいことがあるからです。
それでも、研修に参加してみると、忙しい毎日の中で、こうして基本に立ち返る時間は貴重だと感じました。
手を出す前に、まず観察する
講義の中で、特に心に残ったのは、観察の大切さです。子どもの主体性や、自分で課題を解決する力、そして自立を育むために、まずは子どもの様子をよく観察することが大切だという話がありました。
子どもに声をかけたり、手助けをしたりするタイミングには、先生同士で違いがあります。
ほかの先生が関わり始める場面で、私は「もう少し、子どもたちの様子を見てからでもいいのではないかな」と思うことが多くあります。
子どもたちは、今、自分で考えているところなのかもしれません。自分なりに解決しようとしている途中なのかもしれません。そう思うと、私はもう少し待ってみたくなります。
今回の講義を聞いて、まずは観察し、子ども自身が取り組む時間を大切にしたいという自分の方向性は間違っていなかったのだと感じました。普段の教室の中で考えていたことを、改めて確かめられる時間になりました。
同じ教室、それぞれの関わり方
ただ、だからといって、みんなが私と同じように関わる必要はありません。それぞれの考え方や持ち味も、大切にしていきたいです。
前回のエッセーでは、安心の形は一つではないと書きました。子どもたちへの関わり方も、一つではありません。同じ教室の中に違う見方があることも、大切にしていきたいです。
まずは、日々の会話から
同じ教室で過ごす先生同士の関係づくりも、まだ始まったばかりです。
今のクラスにいる2人の主任の先生も、物事を進めるペースや方法が違います。てきぱきと進める先生と、じっくりと進めたい先生。私も2人の間に入って声をかけながら、気軽に話せる雰囲気をつくろうとしています。少しずつですが、直接話せる場面も増えてきました。
今は、クラスのスケジュールやイベントについての相談で精いっぱいです。子どもたちへの関わり方について、じっくり話し合うところまでは、まだ至っていません。
主任の先生たちは当日、主任向けの別の研修に参加していたので、今回の講義で印象に残ったことも、いずれ話せたらと思っています。
やり方を一つにそろえるためではなく、お互いが何を大切にしているのかを知るために。まずは、日々の小さなやり取りを重ねていきたいです。
久しぶりに思い出したゲーム
また、研修では、秋空のもと、広々とした庭で、ディレクターから少人数の子どもたちと楽しめるゲームを紹介してもらう時間もありました。
1時間にわたる紹介の中には、久しぶりに思い出したゲームもありました。
今の教室は、子どもが18人と比較的少ないこともあり、一人ひとりが取り組む活動に重きを置いています。そのため、グループでゲームをする機会はほとんどありません。
日々、今の教室に必要なことを中心に考えているので、以前は知っていた遊びでも、なかなか思い出す機会はないものです。「そういえば、こんなゲームもあったな」と懐かしく感じながら聞く時間は、なかなかよいものでした。
今後、クラスの子どもの人数が増えることが想定されているので、そのときにはぜひ取り入れてみたいと思うものもありました。
すぐに使う予定がなくても、子どもたちと一緒に楽しめることが、また少し増えたように感じます。
研修も、教室の環境を整える時間
保管庫も教室も、まだ片づけたいところは残っています。それでも、この日は目の前の仕事をいったん止めたことで、子どもたちと過ごす中で自分が大切にしたいことを振り返ることができました。
子どもたちに関わる前に、まずは立ち止まって観察する。そのことを大切にしたいと思っている私自身にも、忙しさの中で立ち止まり、日々の関わりを見つめ直す時間が必要だったのかもしれません。
研修よりも片づけやレッスンの準備を進めたいと思っていた私ですが、教室の環境をつくるのは、教材や家具だけではありません。
そこで一緒に過ごす私たち大人も、教室の環境の一部です。教材の棚を整えるように、子どもたちへの自分の関わり方も見つめ直す。
片づけの手を止めて参加した研修は、教室の環境を、いつもとは違うところから整える時間になりました。

城所 麻紀子(きどころ まきこ)
ボーズマン・モンテッソーリ保育士、元サンディエゴ日本人向け補習校講師、モンタナ州立大学院家族消費者科学科 修士課程
2020年からアメリカのモンタナ州の人口5万人の町で、モンテッソーリ保育園の保育士をしています。
アメリカといっても、白人約90%、アジア人約2%(最近増えました!)という環境です。
あまり日本人の方に知られていない、アメリカの田舎での教育や生活の様子などを共有できたらいいなあと思っています。
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