ワクワクする社会科授業とは何か 子どもの声から見えた五つの要素
今回で一区切りとなる本連載の締めくくりとして「ワクワクする社会科授業」の要件について整理してみました。
姫路市立白鷺小中学校 主幹教諭 竹内 哲宏
社会科授業アンケート結果
今年度の授業の最後に「社会科授業でワクワクする理由」「どのような場面で楽しいと感じるか」という観点でアンケートを行いました。
自由記述および選択回答を分析した結果、子どもが感じる「ワクワクする社会科授業」にはいくつかの共通した要素が見られました。
「なぜ?」から始まる授業
第一に、問いと予想から始まる学習です。
アンケートでは「問いを考えるとき」「予想を立てるとき」にワクワクすると回答する児童が多く、「結果がどうなるか楽しみだった」「なぜと思ったことがだんだん分かっていくのが楽しい」といった記述が見られました。
これは、学習の出発点に疑問や予想があることで、子ども自身が学びの主体となり、結果への期待感が生まれていることを示していると考えられます。
自分で調べて分かる授業
第二に、自分で調べて理解する探究的な学習です。
「資料から読み取るのが楽しかった」「タブレットで調べられるのが良い」「分からないことが知れた」といった記述から、子どもは教師から一方的に説明されるよりも、資料や情報をもとに自ら調べる過程に楽しさを見いだしていることが分かります。
調査や資料分析を通して新しい発見を得る経験が、学習への興味関心を高めていると考えられます。
仲間と考える授業
第三に、仲間との対話や協働です。
最も多く見られたのは、「仲間と話し合うのが楽しい」「友達の意見を聞くのが面白い」「みんなで協力して調べたりまとめたりするのが楽しい」といった記述でした。
社会科の学習においては、資料から読み取ったことや自分の考えを交流することで、多様な視点に触れ、理解を深めることができます。子どもたちはその対話の過程そのものに楽しさを感じているといえるでしょう。
本物に触れる授業
第四に、実社会とつながる体験的な学習です。
工場見学や動画視聴、実物に触れることに関する記述も多く見られ、「清掃工場に行ったときワクワクした」「動画と見学が楽しかった」「実際に触って知ることができた」という声が挙がっていました。
実際の社会の仕組みや人々の工夫に触れることで、教室で学んだ内容と現実社会との結びつきが実感でき、学習への関心が高まると考えられます。
分かった!がある授業
第五に、学習の成果を実感できるまとめの活動です。
「まとめを書くとき」「新聞づくりが楽しかった」「分からなかったことが分かった」という記述から、学習の結果を整理し、自分なりに表現する活動が達成感につながっていることが分かります。
問いに対する答えが見えてくる瞬間や、学びを形にする経験が、社会科の楽しさを実感する契機となっているといえるでしょう。
ワクワクする授業の条件
以上のことから、子どもにとってワクワクする社会科授業とは「みんなで問いを考え、自分で調べ、話し合いながら本当の答えに近づいていく授業」と言えます。
つまり、子どもがワクワクする社会科授業とは、問いを起点として、予想を立て、資料や調査を通して確かめ、仲間との対話によって考えを深め、最終的に学びをまとめていくという探究的な学習過程が成立している授業であると整理できます。
また、そこに見学や動画などの体験的な学習が加わることで、社会とのつながりが実感され、学習への意欲がさらに高まると考えられます。
教材研究をしていると、子どもたちの興味を引き付けられそうなアイディアが思いつき、自分自身がワクワクすることがあります。
また、子どもの振り返りで「今日の授業では○○がわかりました。でも、△△について疑問が出てきました。次の社会の授業が楽しみです」という記述を見たり、授業で学んだことを基に自分自身で調査したことをノートにまとめてきたりする姿を見ると、「授業をしてよかった」と充実感を得ます。
子どもがワクワクする授業をするには、何よりも教師自身がワクワクしている必要があると思います。
一年後の未来も見通すことが難しい世の中です。だからこそ、日々の授業を大切に、子どもも教師もワクワクするような魅力ある社会科授業の創造に努めたいと思います。

竹内 哲宏(たけうち てつひろ)
姫路市立白鷺小中学校 主幹教諭
世界遺産姫路城の目の前にある姫路市初の義務教育学校に勤めています。
資質・能力を育成するための授業づくりを中心に発信できればと考えています。
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