個性を活かすチームづくり―学年団の支え合いから始める、学び合う学校づくり―
授業改善・校内研修・チーム学校。
いま学校現場では、組織的な学びの在り方が改めて問われています。
その根底にあるのは、「教師自身が学び手であり続けられるか」という視点です。教師が孤立せず、互いの得意を生かし、試行錯誤を語り合える関係性が整ってこそ、子どもの学びは豊かに開かれていきます。
学年団の支え合い、校内研修の設計、職員室の文化といった「学校の日常」に焦点を当てながら、学び続ける学校づくりの条件を考察します。
西宮市立総合教育センター 指導主事 羽渕 弘毅
得意を生かし、苦手を支える学校現場のチームづくり
教員には、それぞれ得意があります。
ある人は学級経営が得意であり、ある人は教材研究に力を発揮し、またある人はICTや特別支援の視点を持つ。
しかし現場では、すべてを一人で抱え込もうとしてしまうことが少なくありません。結果として負担が偏り、得意な領域が生かされず、苦手を抱えたまま悩み続けてしまうこともあります。
本来、学校は得意を伸ばし、苦手を支え合うチームであるべきです。
そのための一つの形が、教科担任制や専門性に応じた役割分担です。
ここで大切なのは、新しい提案や工夫を断たないことです。
「やりたいことがあるなら、まずやってみよう」
「こうすればもっと良くなるかもしれない」
そんな一言が、挑戦の芽を大きく育てます。
提案者が若手であっても、経験が浅くても関係ありません。むしろ、新しい視点は学校の財産です。
挑戦を歓迎し、サポートするチームになれば、教師は自分の得意分野を生かしながら、仲間と補い合い、自然と成長していきます。
そして何より、職員室にそうした関係性がある学校は、その空気がそのまま学級にも流れ込むと感じています。子どもたちもまた、挑戦を歓迎し、互いの得意を認め合うクラスへと近づいていきます。
学年団こそ、学校の最小単位のチームづくり
まず目を向けるべきは、学年団です。
学級担任は教室では一人ですが、学年団で仕事をすることで、
- 悩みを共有し、軽くする
- 指導を試し合い、学びを深める
- 保護者対応を連携し、負担を分散する
こうした日々の支え合いが、教員を孤立から守ります。
学年団が柔らかくつながり合うことが、そのまま学校全体の空気に反映されていきます。
“混ぜる”意識で学校全体が動き出す校内研修
次に必要なのが、学年を超えた関係性づくりです。
たとえば校内研修の座席。気心の知れた仲間だけで固まるのではなく、あえて学年も経験年数も専門も違う人と座る。
普段は交わらない視点同士が出会うことで、教育観が混ざり、学校の学びが立体化するのです。
閉じた教室から、開いた学校へ。
それを支えるのは、制度以上に人と人のつながりの質です。
学校を、誰もが行きたくなる場所にする学校づくり
子どもが「学校に行きたい」と思えるのは、そこに安心できる大人がいるからです。
同じように、教師が「学校に行きたい」と思えるのは、支え合い、認め合える仲間がいるからではないでしょうか。
- 子どもも教師もワクワクできる学校
- 個性が生き、挑戦が尊重される学校
- 教室の外でも学び合いが起きる学校
そんなチームが生まれたとき、授業の質は教師一人の努力を超えて、学校全体の力として高まっていきます。

羽渕 弘毅(はぶち こうき)
西宮市立総合教育センター 指導主事
専門は英語教育学、学習評価、ICT活用。高等学校や小学校での勤務経験を経て、現職。これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科博士課程前期)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。自称、教育界きってのオリックスファン。
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