2024.12.26
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教員としての学び〜興味とアウェー、そして人

教員としての学びについて「徒然なるままに」書きました。
普段は教えることが多い教員が学ぼうとすることは大切ですね。

兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭 羽渕 弘毅

2024年もそろそろ終わり

12月になり、2024年がそろそろ終わろうとしています。
例年に比べ、今年の秋は様々なところで研究発表会や公開授業などが開かれていたように思います。
コロナ禍も終え、数年間の準備期間があったのではないかと想像しています。
オンラインで参加できる研究発表会や学会、セミナーが増え、移動時間を節約することもできます。

本当に便利だなと思いつつも、自己研修には学ぶことへの意識が必要であると感じています。
そんな自分なりに感じていることを「徒然なるままに」書きます。お付き合いください。

自分の興味から

他校の研究発表会や学会、セミナーに参加することは人によってはハードルが高いことだと思います。
まずは面白そうだと思うものにどんどん参加することが大切です。
研究発表会や授業公開であれば、「自分ならこうするな…」と考えたり、学会やセミナーでは「自分の実践に置き換えるとこんなことができそう」とアイディアをふくらませたりすることができるはずです。
そうすることで自分の興味の幅が広がり、普段の指導にもつながります。

普段は教えることが多い指導者が自分の興味に応じて、「次はこんな会に参加してみよう」と自分から学ぼうとする姿は重要です。
子どもたちと同じ気分(楽しい、楽しくない)を味わい、どう授業を構成するかを考えるきっかけになります。
新しいことを取り入れようとする柔軟さを大切にしたいですね。

アウェーに身を置く

そこで気をつけたいこともあります。
それは「アウェーの空間も大切にする」ことです。
アウェーとは「敵地」のように訳されることが多いですが、ここでは「違和感を味わえる場所」と定義します。
もちろん自分の興味のある場所、自分の知っている人が多く集まる場所が存在することも大切です。
しかし、いつも同じ空間や同じ人と過ごすだけではもったいないような気がします。

最近はSNSを通じて、多くの教育実践が共有されています。
若い先生だけではなく、色々な年齢層の先生がSNSで瞬時に実践について学ぶことができます。
しかし、そこはSNSなので「自分の興味のあること」しか表示されません。
特定の考えだけに凝り固まってしまう可能性もあります。
少し怖いですが、その枠組みを出て、新たな冒険が必要となってきます。
その冒険の中で新たな興味が発見できるかもしれません。

アウェーで視野を広げ、自分の長所が思い込みに過ぎなかった…と気づかされることもあるはずです。
逆にアウェーでのチャレンジが自分の「強み」への変化を促す可能性もあります。
自戒の念を込めて、アウェーを楽しむことができるといいですね。
振り返ってみれば、私も働きながらの大学院生活はアウェーに身を置いている状態だったと思います。
アウェーに身を置くことでしか発見できない学びがあるはずです。

人と会うこと

はじめに「オンラインで便利になった」ということを書きましたが、対面でしか味わえないこともたくさんあります。
対面でもオンラインでも聞いた講演の内容は同じかもしれません。
しかし、講演が終わった後の講義室や帰り道の廊下でしか得られないこともあります。
「どう思った?」や「最近どう?」のようなちょっとした会話はオンラインでは難しいのが現実です。
オンラインでは存在しない「空間」を楽しむことができるのは、やはり直接人と会ってできる大きなメリットですね。

私の大先輩は全国どこでも飛び回っています。その方も自分の専門はもちろん、専門でないことでも面白そう!と思ったものは何でも直接参加するようにしているそうです。
そのフットワークの軽さだけではなく、人とのつながりを大切にする姿勢は本当に見習いたいです。

おわりに

本当に徒然なるままに書きました。
乱文失礼いたしました。
そんなセミナーや研究会を開くことができればいいなと思う今日この頃です。

羽渕 弘毅(はぶち こうき)

兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。

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