身近な人から学ぶこと
新年度が始まり2ヶ月が経とうとしています。
うまくいっていること、修正しないといけないことなど自分なりに考える余裕が出てきました。
そんな中でふと感じたことを言葉にして残したいと思います。
お付き合いください。
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭 羽渕 弘毅
4月はあっという間に過ぎていく
4月1日から新年度が始まり、怒涛のような日々を過ごしている方ばかりではないでしょうか。始業式、子どもたちとの出会い、入学式…4月はあっという間に過ぎていきます。
そんな私も教員になって10年が経ちました。十分な教材研究ができずに子どもたちの前に立ち、冷や汗をかきながら授業をしていた日々が懐かしいです。(今も子どもたちに助けてもらっています…。みんなありがとう!)
学級の心配事がたくさん、授業がうまくならない…そんな毎日を何とかしたいという思いで週末は大型書店に足を運び、書籍とにらめっこしていました。
「これならできそう!」という有名な先生の実践をマネするものの、撃沈する月曜日。
現在もモヤモヤとはご一緒させていただいておりますが、そんなモヤモヤと付き合いながらやっと10年が経ちました。
そして、焦りが生じるのです。
「どうすればいいのだろう?」
焦りから生まれるもの
「まずい!このままではまずい!」
うまくいかない焦りは子どもたちに伝染します。
4月は加点方式で「いいね!」「すてきだね~!」とプラスの声かけに満ちていたクラスを、「やめなさい!」「あかんぞ~!」と減点方式で見てしまうようになるのです。
もちろん子どもたちがクラスの雰囲気に慣れてきたこともありますが、教員の焦りが子どもたちの様子を少しずつ変えてしまうことも確かです。
そして、その焦りがすぐ使えるような実践を本、インターネット、研究会で必死になって探す動機となってしまうのです。
この循環は本当に正しいのでしょうか?
「大食い早食い」状態の教員
もちろん、給食の話ではないです。
教員になって数年目までの私は、指導に関する情報の「大食い早食い」状態でした。
「すぐ使えそう」「効果が大きそう」な実践に飛びつき、実際にやってみる(もちろん上手くいかない…)。
このような指導者としての段階が不要とは言いませんが、今振り返るともっとできることがあったなと思うことがあります。
それは「同僚から学ぶ」「身近な人から学ぶ」ことです。
同僚から学ぶことがあるはず
今年の3月にある研究会でお話をさせていただく機会がありました。
その研究会は全国の先生が集まる大きな研究会でした。
その中である方が、ぼそっと言われました。
「こうやって全国から集まるのも大切だけど、隣のクラスの先生から学ぶことがあるよな…。」
隣のクラスの先生から学ぶこと…日々の忙しさでなかなか難しいと思います。
でも、実は一番大切なことかもしれません。
教育実習を思い出す
そんな言葉を聞いて、大学生時代の教育実習を思い出しました。
指導教員の先生とは今でも連絡をとっていて、私の印象をこう言われたことがありました。
「帰りの会で『担任の〇〇先生より素敵なことを言えるようにします』って言ったのは、はぶっちゃんだけだよ 」
顔から火が出るほど恥ずかしいですが、教育実習中は常にこんなことを考えて指導していました。
「〇〇先生なら、こんな時なんて言うだろう」
この考えが今にもつながっているような気がします。
憧れの先輩はたくさんいます。思考や感覚の奥底では、そんな先輩たちをモデルとして行動しているような気がします。
「〇〇先生なら、どこに着目して、どう考えるだろうか」
もう一度、身近な人から学ぶ感覚を大切にしていきたいです。
おすすめの本
【おすすめの本 】『校内研究を育てる――その学校ならではの学びを求めて―― 』
身近な人から学ぶために、こんな校内研究ができれば素敵だなと感じました。
羽渕 弘毅(はぶち こうき)
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。
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