2024.05.03
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小学校における教科担任制の拡大!?

4月中旬のニュースや新聞記事で小学校の5、6年(高学年)で実施している教科担任制が3、4年(中学年)にも広がる見通しがあると報じられました。
今回は勤務校で実施している教科担任制をもとに自分の考えを述べます。
ぜひ来年度以降の教育課程への参考になれば幸いです。

兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭 羽渕 弘毅

小学校における教科担任制 ≠ 中学校の教科担当

中央教育審議会が近く案を出すそうです。
大きなメリットは、ほぼ全教科を担当する小学校教員の負担を減らし、授業の質向上を図れるところでしょうか。

勤務校でも教科担任制を導入していますが、小学校における教科担任制は中学校の教科担任と同じではないということを職員で共通理解する必要があります。

教科担任制がゴールではない

教科担任制を導入するにあたって、教科担任制を導入することをゴールとしないことが大切です。
何のために教科担任制を導入するのか、ゴールの姿を定める必要があります。

小学校高学年における教科担任制に関する事例集~小学校教育の活性化に繋げるために~(令和5年3月):文部科学省 (mext.go.jp)

大きなメリットとしては、

  1. 授業の質の向上
  2. 多面的な児童理解
  3. 小・中学校間の円滑な接続
  4. 教員の負担軽減

が考えられます。
私としては「相談相手を増やす」ことが大きなメリットであると考えています。

相談相手を増やす

ここでいう相談相手とは、

  • 児童の相談相手
  • 保護者の相談相手

だけではなく、

  • 教員の相談相手

を増やすことを目標としています。
いろいろな教員が自分以外のクラスに指導に入ることで、児童やクラスについて相談することができます。

これからの教科担任制

今回は資料を添付しています。

【西宮市】【教員】公立小学校でススム!教科担任制の最新事例|教育現場の学び方・働き方改革応援セミナー第20回 (youtube.com)

こちらでも紹介したものと重なる部分がありますが、ご了承ください。
資料の概要は以下の通りです。

  • 取り組みの概要
  • 参考にした先行事例
  • 「あい」スタイル
  • その実際(児童や教員の声)
  • 今後の課題

やはり、私の大きなゴールは「弱音を吐ける職員室」を作ることです。

全国でも教科担任制が教員同士のつながりや連携を深めるきっかけとなり、安心や安全のある職員室をまずは作ってほしいと思います。
その雰囲気が学級づくりや児童理解にもつながるはずです。

羽渕 弘毅(はぶち こうき)

兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。

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