2023.11.03
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誰も教えてくれない派遣教員×海外生活の真実3選

日本の教員は、希望すると「海外で働く」道があります。 在外教育施設や日本人学校と呼ばれています。
教員不足が深刻な今、日本を出て海外で経験を積み、自分の視野を広げたいと考える先生も、いらっしゃるかもしれませんね。しかし、事前の情報がほとんど公にならないため、 実際に派遣されてから「こんなはずでは...」「もっと早く聞いていれば!」という出来事がいくつもあるのです。
そこで、現在、ヨーロッパの日本人学校で働いている著者が、海外派遣に興味があったり、海外生活について不安があったりする先生方の少しでもお役に立てればと思い、「誰も教えてくれない派遣教員×海外生活」をまとめていきます。

東京都東大和市立第八小学校 宮澤 大陸

①派遣先の国が知らされるのは年の瀬

文部科学省派遣を希望する教員は、5月頃に願書を出し、市町村→都道府県、と試験を通過すると、夏頃には文科省の面接を受けることになります。

そして秋には、健康診断を受ける通知などが来ますが、はっきりとした合格通知は来ません。

いつ連絡があるのだろう…不安でドキドキしながら、今年も終わるのかぁ…と思っていると、冬休みに入るか入らないかぐらいの頃に、いきなり「◯◯日本人学校 内定」と連絡がきます。(なんの前ぶれもないので驚きます!)

これが事実上の合格通知です。(来年度から派遣になります。)

私の場合は、有名な国なので名前は知っていましたが、知っていたのはサッカー選手くらいでした。あとはなにも知らずに焦った記憶があります。そんな年越しです。

ちなみに、私は1年待ちの派遣でした。私のような場合は、3月になってやっと「再来年度派遣者の名簿に登載」と通知が来ます。(その間けっこう焦ります。)

自治体にもよると思いますし、コロナ禍も関係していたかもしれません。また、管理職等はもっと早く決定するようです。決定までの流れは、文科省のホームページでも公開されています。

②派遣先の国はガチャ。

企業の駐在さんは、国を選べるかもしれません。しかし文科派遣の教員は、国を選ぶことができません。

アジアがヨーロッパか、はたまた南米に派遣か。決まるまで本当に分かりません。まさに究極の人生選択ガチャ。

ちなみに、公立学校の教員をやめれば、国を選んで志望するという道もあります。(現地採用や、財団派遣という方法です。)このことについては、また別の回でお伝えしたいと思います。

③給食が無い

言われてみれば納得せざるを得ませんが、子供たちも、教員も、毎日弁当持参です。

私の学校の保護者からは毎年給食の要望があるのですが、調理設備や人材が残念ながら確保できません。他国もそうではないでしょうか。ちなみに、現地の学校は、給食がある学校が多い印象です。

毎日お弁当を作ってくれる家族に感謝です。無くなって初めて気付く、日本の給食の素晴らしさ。味はともあれ、おかわりできるのも最高ですよね。

このように、日本の当たり前が、海外では当たり前でないことが当たり前。そのような中でも、海外で働くということは、日本では得られないものを得ることができると信じています。

今回ご紹介した「派遣教員×海外生活」の続きがさらに知りたい方がいらっしゃいましたら、拙筆で恐縮ですが、こちらをご覧いただけますと幸甚です。

すべての教員(とご家族)にとって、より透明で明るい勤務、そして素敵な経験になりますように!

宮澤 大陸(みやざわ たいりく)

東京都東大和市立第八小学校
島や国立の小学校を経験し,今は地元でICTを活用した教育と「失敗」を実践中。わくわくを仕掛け、子供たちと作り上げる学級づくりをお伝えします。
YouTubeチャンネルで子供と一緒に解いたり考えたりできる問題を配信中です。

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