魔の6月…?
6月です。(※これが読まれている時は7月かもしれませんが…笑)
子どもだけではなく、大人も少しどんよりした気分になることが多い月ですね。
そんな皆さんに読んでほしい絵本を紹介したいと思います。
新しい学年になって2ヶ月が経ちました。
お家の方も子どもたちも新年度の生活に少し慣れてきたはずです。
学校でも4月は子どもたちの良いところやステキなところを認めていたのに、6月になるとついつい小言ばかりになってしまう…。どちらも子どもたちの成長を助けたいという思いから始まるものの、6月は空回りの連続。
どうしても子どもの言動に対して、気になることばかり言ってしまう。
そんな時、子どもたちはどんなことを思っているのでしょうか?
そんな時、子どもたちはどんなことを感じているのでしょうか?
理解しようとすればするほど、泥沼にハマっていく感じもありますね。
子どもたちにとって失敗という大切な経験があるのにも関わらず、失敗しないように先回りしてしまう。
気になる行動の裏には、どんな思いがあるのだろう?
そんなことを考えたくなるような絵本を紹介します。
『なみにきをつけて、シャーリー』
ジョン・バーニンガム 『なみにきをつけて、シャーリー』
この絵本の冒頭には、こんなことが書いてあります。
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わたしたちは、海辺に出かけて様ざまなすごしかたをしますが、この絵本ではどうでしょう。左のページで、シャーリーの両親がデッキチェアに陣どって、シャーリーにむかって注意のことばをくどくどと投げかけています。
(中略)
この絵本は、おとなの現実的な日常の世界と子どもののびやかな想像の世界を鮮やかに対比させることで、今までにない新しい形式、新しい内容を獲得しています。
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学校という空間だけではなく、子育ての場面でも考えさせられる絵本です。
「教育」、「指導」という善意とされる名のもとで、子どもたちの中にある豊かな想像力で創られた「世界」を壊していないか…反省する毎日です。
日々の子どもたちの姿や「世界」をもっと楽しめるようになりたいです。
みなさんも子どもたちの行動に対する見方や考え方、この絵本を読んで少しアップデートしてみませんか?
うちの2歳の子どもは、50円玉のことを「ドーナツの100えん」と呼んでいます。豊かな想像力に圧倒される毎日です。
子どもの世界を理解するための参考図書
関連のあるもので最近読んで面白かったものです。
ぜひご一読ください。
河合隼雄『子どもの宇宙』
冒頭で紹介されている小学1年生の詩「かみさま」だけではなく、紹介される児童文学は素晴らしいものが多いです。
奥田健次『メリットの法則:行動分析学・実践編』
読むと、その行動をするのはなぜ?と考えたくなる一冊です。
羽渕 弘毅(はぶち こうき)
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。
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