小学校生活最後の外国語科の授業は?
6年生最後の外国語科授業って何するんですか?
とよく尋ねられます。
私の簡単な「英詩」の実践について述べます。
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭 羽渕 弘毅
スタートは絵本から
「今日で授業は最後だね」
「3、4年生の時のように、今日は絵本をみんなに読もうと思います」
この時点での子どもたちの反応は様々です。
読む本は
『スヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと』です。
著者はもちろんチャールズ・M・シュルツ、訳は谷川俊太郎です。
どんな本?
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スヌーピーやチャーリー・ブラウンをはじめピーナッツ登場キャラクターたちの名言(迷言)が、スヌーピーやピーナッツのファンはもちろん、元気や癒しをもらいたい多くの方の胸に響くとともに、谷川俊太郎さんの名訳が心にしみ込みます。(主婦の友社ホームページより)
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この本にはLove isから始まる言葉と谷川俊太郎さんの訳、イラストがそれぞれのページに載っています。
クスッと笑える内容から子どもたちが立ち止まって考えたくなるような内容など、多種多様です。
読み終えたら?
本を読み終えた後、みんなの「Love」「大好きって」を教えてほしいことを伝えます。
「え〜!!!」表情は様々です。
オリジナルの英詩を作る活動の始まりです。
この活動は制限(Love isに続く言葉を考える)がある中で、ある程度の自由(日本語をつける)があるので子どもたちの思考が活発になるのではなないかと考えています。
白紙を一枚渡し、Love isに続く言葉を教科書から探します。
以下は子どもたちが考えた例です。
Love is baseball.
Love is love.
Love is exciting.
Love is not money.
Love is Hello!
日本語に?
次はその作った英文に日本語をつける作業です。
意外とこの作業に子どもたちは没頭します。
日本語をつける作業をやっている途中にさらに良いアイディアが思い浮かび、もう一度英文を作り直す子どもたちもいます。
基本はグループでの活動です。
その活動の途中で中間指導・中間評価として子どもたちの作品を紹介したり、作業中に出てきた疑問を共有したりします。
以下はグループ内での対話の様子です。
「大好きって野球、うーん!もっとカッコイイ日本語にしたいなー!」
「好きな選手の名前を入れちゃえば?」
「野球ができることはどう?」
クラスの中で自然と「おしゃべり」が増えてきます。「どう?これ?」
「思いっきり野球をできるって最高!」
「いいねー!」
そして最後にイラストをつけて完成です。
作って終わりではなく、オリジナルの英詩を鑑賞する時間を作ります。
友だちの作品にコメントを入れて本当の完成です。
まとめ
外国語科として「書く」活動ができるからこそ生まれた英詩創作の実践紹介でした。
もちろん子どもたちが書き写す表現は全て音に十分慣れ親しんだものです。
中学年からの外国語活動からの総まとめとして、英詩作ってみませんか?
羽渕 弘毅(はぶち こうき)
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
専門は英語教育学(小学校)、学習評価、ICT活用。 広島大学教育学部を卒業後、高等学校での勤務経験を経て、現職。 これまで文部科学省指定の英語教育強化地域拠点事業での公開授業や全国での実践・研究発表を行っている。 働きながらの大学院生活(関西大学大学院外国語教育学研究科修士課程)を終え、「これからの教育の在り方」を探求中。 自称、教育界きってのオリックスファン。
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