2022.04.08
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デジタルの教材に慣れている子どもたちにどう関わるか

今年度も学びの場に関わらせて頂くことになりました。浦安市立美浜北小学校の齋藤と申します。どうぞ今年度もよろしくお願いします。今年度、異動となりました。
これまでは、ブロックでの教科担任制度に関する記事を多く書いてきましたが、異動先の学校はほとんどの学年が単学級という、小規模校に区分される学校になります。また新たな気持ちで執筆活動に尽力していきます。

浦安市立美浜北小学校 教諭 齋藤 大樹

これまでの経験を大切にしつつ

規模の小さな学校ですので、これまでの教科担任制に代表されるような複数の学級を活かした記事は書きにくくなりますが、小規模校だからこそ書ける記事もあると思っています。4クラスあるような学年の学年主任を務めていると、どうしても自らの学級の児童だけではなく、学年全体の児童の様子に目が行ってしまいます。

もちろん、他の職員と互いを尊重し合いながら、助け合う良さや心強さも、これまでの2学年にまたがる教科担任の経験から理解しています。「多様性」が一つのキーワードとなっている昨今だからこそ、多くの職員の個性やスキルを結集し、複合的で厚みのある指導が求められる時代です。

しかしながら、単学級だからこそ、自分の学級の児童たちと向き合う時間が多く取れます。小規模だからこそ学年ではなく、学校全体で連携しながら取り組む良さもあるでしょう。執筆時点では、まだわずか数日しか勤務しておりませんが、物を探しているだけで多くの同僚が声をかけてくださるような、アットホームな雰囲気を感じます。学年中心のこれまでの中・大規模校の経験は大切にしつつも、改めて「学級担任とは何か」ということについて読者の皆様と考えていきたいと思っています。

GIGAスクール構想に対応した教材の増加

4月は学校で使用教材を考えていく時期になります。子どもたちの姿を想像しながら、授業で使用するドリルやノートなどを考えていきます。各業者から出されている教材を見ると、GIGA端末の活用を想定したものが多くなってきました。

例えば、漢字ドリルで練習をした後に、習熟の確認テストをGIGA端末にて行えるものがあります。タブレットの画面に直接漢字を書くことで、トメやハネなどの細かな字形もチェックしてくれ、修正を行えます。

タブレットでの家庭教育に慣れた子どもたち

かつては家庭での通信教育というとドリルや紙による教材が定番でした。最近では各通信教育業者から、タブレットによる教材も多く提供されています。昨年度在籍していた学校でも、株式会社ベネッセコーポレーションによるチャレンジタッチや株式会社ジャストシステムによるスマイルゼミなどで学ぶ児童が多くいました。

これらのタブレット学習では、児童に応じた課題が出され、その課題を達成してポイントをためるとゲームで遊べるようになるなどの工夫が凝らされています。テンポの良さもタブレットを活用した教材の特徴の一つとなっており、解いた直後に音声や画面で反応が示されます。子どもたちはゲームやアバターと呼ばれるキャラクターを成長させようと、次々に問題に取り組んでいきます。

漢字や計算の学習にどう取り組ませるか

こうしたタブレットの学習に慣れている子どもたちにとって、これまでのような計算ドリルを2回、3回も行わせるような指導は、時に苦痛に感じる場合もあるのではないかと感じます。問題を解くとゲームができるような経験を積んでいる児童に対して、どう声かけをすべきなのでしょうか。

求められる学力観も変化していく中、「紙かデジタル」のどちらが正しいという話ではなく、現代の子どもたちが学んでいる通信教育の変化に対してもアンテナを張る必要性があると思います。

今年度、私もGIGA端末を活用したドリルを一部導入してみることにしました。子どもたちにどういった変化があるのか、それをよく見極めていきたいと思っています。読者の皆様、一年間どうぞよろしくお願いいたします。

齋藤 大樹(さいとう ひろき)

浦安市立美浜北小学校 教諭


一人一台PC時代に対応するべくプログラミング教育を進めており、市内向けのプログラミング教育推進委員を務めていました。
現在は小規模校において単学級の担任をしており、小規模校だからこそできる実践を積み重ねています。

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