2022.04.07
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単学級・複式学級など小規模校の働き方改革~授業時数の視点から~(2)

今期も担当させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。これまで、小学校の単学級(通常の学級が1学年につき1学級)、複式学級(通常の学級が2ないし3以上の学年が1学級)の担任をさせていただくことが多くありました。単学級・複式学級の学級経営というテーマは、これまでニッチなテーマとして扱われることが多くありましたが、学校の小規模校化が進むなかで、そのような情報を必要とする先生方も増えてきているのではないかと思います。いつか、どなたかのお役に立てればと思い、連載させていただきます。どうぞお付き合いください。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

学級開きに忙しい4月。でも、今だからこそ見直せるチャンスでもある…

4月。年度初めの学級開きに忙しい時期かと思います。学級担任をされている先生方は、学級のシステムを考えたり、準備したりしなければなりません。それに加えて、校務分掌の仕事など学級以外の業務も、何かと忙しい時期でもあります。担当業務が変わったり、取り組む内容に変更を加えたりするのにはエネルギーがかかります。ここに異動も加わると、さらに大変な思いをされている先生もおられるかもしれません。

前回、小規模校の働き方改革には、授業時数の見直しが効果的ではないかというところまで書かせていただきました。各学校では、不測の事態による臨時休業等も考慮して、標準授業時数+αで年間の学校の予定が計画されていると思います。この+αの部分に各学校での工夫の余地があり、それが働き方改革にもつながるのではないかと考えています。当然、児童の学習活動の質も担保されてのことです。年度途中での変更には、大きなエネルギーがかかりますので、今のうちから頭の中に情報を入れておくと良いのではないかなと思います。今回は、その一例を紹介できればと思います。

週29時間の高学年の時間割

北海道教育委員会「小学校における時間割編成~授業時数増等への対応」より筆者抜粋

標準授業時数は、学年によって異なります。私は、5・6年の担任をすることが多くあり、6時間授業の学校だと、教科の授業時数は週29時間という学校が多かったです。残りの1時間は、「児童会活動+クラブ活動」(授業時数にはカウントされない)になったり、学校全体の会議の時間(職員会議、校内研修など)が入っている5時間授業の日になったりして、ゆっくり学級業務に充てられる放課後の時間はあまり多くはありませんでした。また、週29時間の中に学校行事があることもありますので、教科の授業時数としてカウントできる正味の時数は、さらに少なくなるという週もあります。

低学年の標準授業時数は、1年生が850時間、2年生が910時間です。高学年と比較すると、おおよそ100~150時間の差があります。正直なところ、たまに低学年担任になると、はじめのうちは「6時間授業がなくて(少なくて)、ラッキー」と思うこともありました…。ただ、低学年担任は、児童や家庭に対してのきめ細かい指導やフォローアップが必要になり、そのための準備には時間がかかります。高学年であれば簡単に児童に任せられることも、手取り・足取り、時には代わりになってやらなければならないということもあります。また、学校によっては、委員会活動やクラブ活動の主担当を、低学年の先生を中心にして、高学年担任の負担軽減を図る取り組みをしていたり、校務分掌の業務量で調整を図っていたりする学校もあります。それで、単純に授業時数だけで「忙しさ」を比べることは避ける必要がありますし、「低学年の方が楽で、高学年の方が大変」という図式は成立しません。なにより、教職員同士のコミュニケーションがとれている学校では、「低学年団vs高学年団」という不毛な争い(←今までそんなことは経験したことがないですが…)は起きないことでしょう。

適正な授業時数で放課後の時間を生み出そう

放課後の時間にゆとりを生み出すことが、教職員数の少ない単学級・複式学級のある小規模校には効果的であると思います。その時間を、校務分掌の仕事にあてたり、教材研究にあてたりすることができます。そのためには、余剰時数を多くとりすぎないようにすることが必要です。学級担任をしていると、教務担当の先生が時数管理をしてくれていると安心して、あまり授業時数に意識が向かないことがあります。でも、時数について自分で意識するようになると、「余剰時数を減らせないかな?」「どれくらい余っているんだろうか?」と担任自身も適正な進度管理、時数管理ができるようになってくると思います。そのことで、授業改善につながる教材研究ができたり、子どもと向き合う時間を増やしたりすることができることで、時間がかかりますが子ども達の学校生活の質の向上にも教職員の働き方改革にもつながっていくのだと考えています。

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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