2022.03.17
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単学級・複式学級など小規模校での働き方改革(1)

「教師のバトンプロジェクト」では、教師の魅力アップと共に、教師の働き方についても話題になりました。単学級・複式学級など教職員数の限られた小学校においては、学校規模に合った組織体制をつくることが求められますが、それは簡単なことではありません。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

時間はあるけど、自由に使える時間はあまりない…

教員の勤務時間は、通常は7時間45分です。例えば、児童の登校時刻が8:10頃で、児童の最終下校時刻が15:30頃の小学校があったとします。高学年の通常の学級の担任だったとして、教室で子どもたちの指導や対応にあたっていると仮定すると、7時間20分あまりは教室にいることになります。
児童が下校した後の時間は、本来であれば「休憩時間」ですが、勤務開始が8:00、勤務終了時刻が16:30頃の学校だとすると、勤務終了時刻に合わせて退勤するためには、残された25分間でこなすか、休憩時間の中でかなり多くの仕事をしておかなければならない状況になります。
終わらなければそのまま残るか、家に持ち帰るかということになるでしょう。また、現在は、感染症の影響もあり、教室の換気や消毒作業などの業務も行うこともあるかもしれません。たとえ、児童が少し早く下校する日が週に1日あったとしても、通常は会議や研修、校務分掌の仕事などがあり、やはり、学級の業務のための時間を確保するのは、なかなか簡単ではないというのが現状ではないでしょうか。

空き時間をつくるのもなかなか簡単なことでは…

そこで、学級担任が学級業務に充てる時間を確保するために、授業を受け持たない「空き時間」を生み出す取り組みが考えられます。代表的なものとして、担任以外の教員が一部の教科の指導を担当する「教科担任制」をとる教科を設定し、空き時間を設定するという運用が考えられます。ただし、単学級や複式学級を有する小学校でこの運用を行うには、加配教員の配置や小中の連携など人的条件が整っている必要があります。それで、空き時間が生み出されるまでに余裕ができるというところまではすぐにはたどり着かないのではないかと思います。

ほかにも、給食や掃除の指導を交代で行ったり、副担任制を導入したり、学年をまたがる合同授業を行ったりなどの方法も考えられますが、どの方法でも、限られた人数の教員を学校内でどのように配置するかということを学校ごとに考えていかなければなりません。また、「別の先生に頼むぐらいなら自分でやったほうがいい」「自分は困っていない」「自分がやりやすいほうにやれるほうがいい」というような考えをお持ちの先生がいれば、納得して頂く必要もあるかもしれません。

学校独自で取り組めそうなこと:年間の総授業時数の見直しは?

各学校の年間の総授業時数は、標準授業時数+児童会活動+クラブ活動+学校行事+余剰時数となります。学習指導要領で定められている標準授業時数をもとに、各学校で教科ごとの年間指導計画が立てられます。それをもとに、教務担当の先生が様々な予定を考慮して総授業時数を算出していきます。
学校の裁量で大きく変えられるのは、「児童会+クラブ+学校行事+余剰」の部分となります。授業時数については、平成31年1月25日の中央教育審議会答申を受けて、平成31年3月18日付の文部科学事務次官通知において、次のような通知がありました。

「各学校の指導体制を整えないまま標準授業時数を大きく上回った授業時数を実施することは教師の負担増加に直結するものであることから,このような教育課程の編成・実施は行うべきではない。仮に標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画している場合には,指導体制の整備状況を踏まえて精査して教師の時間外勤務の増加につながらないようにすることとし,教育課程の編成・実施に当たっても教師の働き方改革に十分配慮するよう各学校を指導すること。」

各学校は、設置する教育委員会が定める学校管理規則に従って、教育課程の届出を行います。その際、各教科の年間指導計画は標準授業時数に合わせているので、「大きく上回った」計画を作成している学校はそう多くはないのではないかと思われます。
しかし、総授業時数は、不測の事態による臨時休業等も考慮して作成することから、標準授業時数+αで計画して提出することになります。この+αの部分が各学校での工夫の余地がある部分ではないかと私は考えています。その工夫の方法については、また機会を改めたいと思います。

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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