2021.07.27
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夏休み中にしておきたいこと~2学期への準備編

教員の側としては、少しホッとする夏休み。
つかの間かもしれませんが、夏休み中にしておきたい2学期の準備をご紹介します。
メモに残しておくことで、on/offのメリハリがある夏休みにできるかもしれません。

北海道公立小学校 教諭 深見 智一

私が夏休み中に取り組みたいと思う3つのこと+α

昨年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休業があったことから、授業日数を確保するために、全国的に多くの学校で夏休み等の長期休業が短縮されました。今年度も、その影響が引き続き残っている地域・学校もあるかと思いますが、例年のような「夏休み」が始まっている学校も多いのではないかと思います。
感染症対策のための対応をしながらの状況ですが、夏休み明けに向けて夏休みのうちに準備しておきたい点を紹介します。個人的なことが多く含まれていますので、本稿はあくまで一例として参考にしていただければと思います…。

1 教材研究

普段は、「次の日の授業の準備をしないといけないなあ~」と思いながら過ごしていることが多い私ですが、これまでの経験上、夏休み中に1週間分くらいの教材研究をしておくと、その後、ゆとりをもって過ごせたことが多いように思います。ちょっと困ったときには「貯金」を取り崩せば大丈夫、という「安心感」が生まれるからです。夏休み明けは、思わぬ子ども同士のトラブルがあったり、教師自身もなかなかエンジンがかからなかったりすることもあります。そんなときに、貯めておいた貯金を下ろして使います。

可能であれば、各教科の単元計画を作成しておけるのが理想です。教師のゆとりを作り出すだけでなく、単元のゴールを意識することが1時間の授業の目標や手立てをより明確にすることにつながり、結果的には、児童の学習意欲の向上や学力の定着にもつながっていく可能性が高まります。

また、教科担任制になっている教科は、各教科担任に「夏休み明けの学習の予定を時間のある時に大まかに教えてください」とお願いしておくと、夏休み明け以降の時間割作成の見通しが持ちやすくなると思います。

2 行事の準備

夏休み明けに行われる遠足・集団宿泊的行事や文化的行事などの計画を少しずつ行っておくと直前になって慌てずに済みます。どの程度行っておくかが難しいですが、下準備だけしておく、すぐに児童に指導できるレベルまで完成度を高めておくなど、その行事によって変えることができます。あまりこだわりすぎると、ほかのことに手が回らなくなってしまうということもあるので、「ある程度できていればいいや」という「自分への優しさ」も大切かなと思います。

3 教室環境の整備

私は、年度当初の時期に、学級の教室掲示にあまり力をいれなかったので、学期の途中で「あ~、ここにこういう掲示物があると便利だな」「これはあっちに貼っていたほうが見やすいのにな」と思うことが今年度は多くありました。でも、「子どもたちに任せてもいいな~」とか「今は忙しいから、後でいいか」という気持ちがあったせいで、そのまま夏休みを迎え、今に至っています。

私は、夏休みの1か月くらい前になると、「やらないといけないと分かってはいるけれども、今はちょっとやる余裕がない」リスト(←すごい長い名前ですが……)を作ります。とりあえず、そのメモに仕事の種別関係なく、願望も含めて、やりたいこと・やらなければならないことを書いておきます。私のなかでは、そこに書くこと=優先順位を決めているということになります。そこに書かれていることは、優先順位が低い、後回しにしていいことですので、夏休み前の今は手をつけないでおこうと決めることができるのです。

+α on/offのメリハリがある夏休みにするために…

あれもしないといけない、これもしないといけないと思っていると、長期休業期間中も頭の中がずっと仕事モードとなってしまい、結果的に休んだ気がしなかった……という先生がいらっしゃるということをよく耳にします。「ゆっくり休むときは休む」というのが+αかなと思っています。子どもたちが楽しいと思える学級経営、授業づくりができるようにするための充実した夏休みになりますように。

次回は、単学級・複式学級の学級経営で夏休み明けに気をつけたいことをご提案します。

深見 智一(ふかみ ともかず)

北海道公立小学校 教諭


書籍等で取り上げられることがあまり多くない1学年につき1学級の単学級の学級経営、複式学級の学級経営について、これまでの実践や量的調査の結果をもとに、効果的な実践例を発信していきたいと考えています。

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