2020.07.31
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通級で使える小ネタ<1>曜日の学習

小学校に就学したら、できるだけ早めに曜日の概念を教えましょう。

福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士 髙橋 三郎

学校生活は曜日を中心に回っている。

意外と忘れがちですが、特別な支援を必要とする児童に対して、曜日の概念を教えることはかなり大切です。時間割は曜日によって異なりますし、学校生活は曜日を中心に回る…といっても過言ではありません。しかし、幼稚園や保育園の生活では、曜日を意識する機会はあまり多くないでしょう(少なくとも小学校よりは少ないと思います)。なので、小学校に就学したら、早い段階で曜日を教えておく必要があります。

というわけで、曜日の学習ですが、私はそれぞれの曜日と出来事を結び付けて覚えさせています。以下、具体的な指導の仕方です。

まず、通級での指導の際に、↑のようなプリントを渡し、それぞれの曜日にあるテレビ番組や習い事、出来事を書いてきてもらうように、連絡帳などで保護者に依頼します。まだ児童が書くのは大変ですので、記入は保護者にお願いします。必ず本人に関わりのあるもの(本人が好きで良くみているテレビ番組など)を記入してもらいます。

次の週には↑のようなプリントを児童からもらえると思いますので、このプリントをみながら、「曜日というものがあること」「曜日は毎日変わり、7つあること」を教えます。それから、日~土までの曜日の名前、順番と共にそれぞれの曜日に関連することを教え、覚えさせます。

少し覚えたら、指導者はプリントを見せた状態で、「土曜日は何がある?」「サッカーは何曜日?」などと質問し答えさせます。それができたら、次はプリントを見せずに、同様の質問をし、クイズ形式で答えさせます。ある程度やったら、役割を交代して、児童に先生役(すなわち、問題を出す側)になってもらうと盛り上がります。必ず宿題を出し、ご家庭でも取り組んでもらい、曜日が頭の中に入るようにしましょう。

髙橋 三郎(たかはし さぶろう)

福生市立福生第七小学校 ことばの教室 主任教諭 博士(教育学)公認心理師 臨床発達心理士
大学院で博士号を取得し、現在はことばの教室で子供達と向き合う日々を過ごしています。言語障害や発達障害に関する知見や指導方法を様々な先生方と共有できたらと思います。

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