休校で思うこと
まだ年度は明けていませんが、今回から第27期の記事がスタートになります。今期も引き続き、よろしくお願いいたします。
さて、全国的な休校措置が取られて1ヶ月ほど経過しようとしています。地域により若干の差はあれど、それまでの「当たり前」がそうでなくなったのは間違いないと思います。前回の記事を書いたのは休校措置が始まったばかりのころで、「卒業式」について例年との違いなどを書きました。今回は、その他のことでも、休校の期間を通して感じたことを書いてみました。
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭 山形県立米沢東高等学校 教諭 高橋 英路
全国的な休校
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◎これまで臨時休業を実施した学校割合(%)
公立 国立 私立
小学校 99.0 100 97.9
中学校 99.0 100 98.3
高等学校 98.8 100 97.9
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この記事を書いている時点で公開されている最新の資料では、3月16日までに再開した学校が約1150校(3.5%)とあり、当初から臨時休業を実施していない学校の約350校(1.0%)とあわせ約1500校(4.5%)が開校していることになります。これ以降、開校する学校が少しずつ増えていくものとは思いますが、これだけ長期にわたり全国的に休校となったことで、日常生活への影響は非常に大きいものでした。
オンラインを有効活用
一方、このたびの休校中の対応では、インターネットを活用した取り組みが話題になりました。実際、前掲した文科省の資料にある取組事例の中にも、インターネットを活用したものが複数掲載されています。休校が全国的に行われていること、インターネットの普及やその技術が大きく向上していること、児童・生徒がパソコンやタブレット端末の操作に慣れてきていることなどの条件が重なった結果だと思います。
学校がインターネットを介して授業や教材を提供したり、生徒たちの学習や生活の状況を把握したりすることもできます。また、有償の学習コンテンツを提供している企業の中には、このたびの休校期間中に限り無償でサービスを提供するところも出ました。文科省や経産省は、自宅にいながら学習できるサイトやサービスをまとめたポータルサイトを立ち上げ、広く情報を提供しています。
また、延期や中止が決まった様々なイベントもあるわけですが、オンライン開催となったものも多く、その中には小中高校生が対象になっていたものも含まれています。イベントの映像を一方的に流すだけでなく、WEB会議ができるアプリなどを利用して双方向のやり取りを行っているイベントもあります。
このように、今回の休校期間を通して、オンラインを活用した様々な取り組みが話題となり、その便利さを再認識することができました。これは休校が明けてからも活用できるものだと思うので、直接会って対話すべきものとのバランスを取りながら、うまく活用していきたいです。
オフラインも大切に
このような状況で感じたのが、直接会って話す機会が非常に貴重なものだということです。電話やビデオ通話では細かな感情までは読み取るのが難しく、やはり実際に会ってみないと分からないものだということです。また、毎日学校に来るのが当たり前になっていると、何か忘れても翌日に持ち越すことができるわけですが、今回はそうはいきません。限られた登校日の、限られた時間の中で、すべてを完結させなければいけません。そういう意味では、提出物など、普段ルーズになっていた部分は見直すことができたのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症の状況がどうなるのか、誰にも分からない状況なのだとは思いますが、少しでも状況が好転し、早く終息して通常どおりの学校が戻ってくることを祈るばかりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
高橋 英路(たかはし ひでみち)
前 山形県立米沢工業高等学校 定時制教諭
山形県立米沢東高等学校 教諭
クラス担任と、地歴科で専門の地理を中心に授業を担当。生徒達の「主体的・対話的で深い学び」が実現できるよう、p4c(philosophy for children)やKP(紙芝居プレゼンテーション)法などの手法も取り入れながら日々の授業に取り組んでいます。
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